◆昨年の反省(マネジメントレビューより)
6月になりました。鬱陶しい梅雨も近づいてきました。
前号に引き続き、昨年の反省です。受付対応・清掃・掲示板などの院内環境について、です。
この分野で頂きました皆様のご意見をあげてみます。
1.受付での私語が気になる
2.帰り際の声かけがない
3.予約の取り方のルールがわからない
4.医療費の説明がない
5.待合室で患者同士視線があうのが嫌
6.待合の本に変化がない
7.車椅子専用の駐車場を設けてほしい
8.院内報の発行が遅れる
当院の対策について書きます。
受付の私語につきましては、昨年指摘されてから、特に受付事務員の間に私語を慎むよう徹底指導してきました。帰り際に声かけがない、というのも診療所としては情けない話であり、これも“お大事にしてください”というのを帰りの挨拶とするようにしています。大分良くなったように感じますがいかがでしょうか。
予約の取り方につきましては、当日午前中の予約は前日午後まで(ネットでは午前0時まで)、午後の予約は当日正午まで、と改定させていただきました。当日、今から行きます、予約してください、との電話で、受付・待合に混乱がみられたためにそのようにしました。お知らせするのが遅れたことはお詫び申し上げます。現在は診療手帳に予約の取り方を記載した紙を貼り、説明をするようにしています。
医療費についてはおおまかな点数からの負担金額を記載したポスターを作成し、掲示板に張るようにしています。点数改正があれば訂正して掲示します。また領収証は以前より発行していますので、疑問があれば受付スタッフまでお問い合わせください。
待合室で視線が合う、とのご意見をお伺いして、待合室の椅子の配置をかえました。またテレビを置いています。待合の本については確かにあまり考えていませんでした。5年前の再開院時から置いてある本もあるようです。
クレームはありませんでしたが、清掃については、毎日スタッフが掃除をしてくれていますが、年に1、2回業者に入ってもらい、床磨きなどの清掃をお願いしています。
駐車場の件につきましては、来院頻度と予算の関係で今まで実施できていませんが、近日中に駐車場の壁に車椅子のプラカードを吊り下げることにします。
最後に院内報についてですが、原稿の締切日を毎月25日とし、翌月1日発行とするようにしました。いつも遅れましてすみません。今回も遅れてしまいましたが、できるだけ月刊をめざしています。
また当院について、ご意見、ご要望がありましたら、お気軽にお書きいただいて、設置してありますボックスに入れていただきますようお願い申し上げます。
◆特集:不眠について
不眠について
厚生労働省の調査によると、日本人の5人に1人以上の人が不眠に悩んでいることがわかりました。また、睡眠不足の理由として、悩みやストレスをあげる人が約3割もいるそうです。まさにストレス社会ですね。
睡眠の大きな役割は、からだと脳を休ませることです。実際に睡眠には、「からだの眠り」と「脳の眠り」の2つのタイプがあります。レム睡眠という言葉をご存じだと思いますが、これは「からだの眠り」のこと。寝ているのに脳は起きているような状態の浅い眠りです。金縛りにあったり、夢を多く見るのもこのレム睡眠のときと言われています。その逆に、ノンレム睡眠と呼ばれる「脳の眠り」は、文字どおり脳が休息している深い眠りのこと。睡眠状態のときには、この2つの眠りがセットになり約90分周期で繰り返されています。睡眠は、からだの休息はもちろん、脳が休息をとるための大切な時間。だからこそ、心身の健康づくりのために睡眠が大切なのです。
不眠とは、心身の健康を維持するために必要な睡眠が、量的または質的に不足している状態のことをさします。日本人の多くは、社会生活の24時間化やストレスなどにより慢性的な寝不足状態といえます。
不眠のタイプ
不眠はその状況によって4つのタイプに分けられます。投薬をする上でも大事な分類です。
入眠障害 ⇒ 寝ようと思って布団に入っても寝つきが悪く、なかなか眠れない。
熟眠障害 ⇒ 眠時間をたっぷりとったつもりでも、ぐっすり眠った感じがしない。
中途覚醒 ⇒ 夜中に何度も目が覚めてしまい、そのあと再び寝つくのが難しい。
早朝覚醒 ⇒ 朝早く目が覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなってしまう。
診断・治療のガイドライン
不眠対策ですが、睡眠障害の診断・治療ガイドラインが厚生労働省 睡眠障害診断・治療研究班から出ました。なかなかよく出来ていると思いますので、ご紹介します。
1:睡眠時間はひとそれぞれ。日中の眠気で 困らなければ十分。
睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない。歳をとると必要な睡眠時間は短くなる。
2:刺激物をさけ、眠る前には自分なりのリラックス法を。
就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける。軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、軽い運動などリラックスも効果的。
3:床につくのは眠たくなってから。就床時刻にこだわらない。
眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする。
4:定刻に毎日起床。
早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる。
日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる。起床後なるべく早く太陽の光を浴びると、夜が速やかに眠れます。
5:光を利用。目覚めたら日光を入れ、夜の照明は控えめに。
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を。
6:規則正しい3度の食事,規則的な運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進。
7:昼寝をするなら、午後3時前の20〜30分。
長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響。
8:眠りが浅いときは、睡眠時間を減らし、遅寝・早起きにしてみる。
寝床で長く過ごし過ぎると塾睡感が減る。
9:激しいいびき、呼吸停止,足のぴくつきやむずむず感などは要注意。
背景に睡眠の病気、専門治療が必要。
10:十分眠っても日中の眠気が強いときは専門家に相談。
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意。
11:睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと。
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし夜中に目覚める原因となる。寝酒は連用で慣れが生じやすく、急速に量が増え、精神的・身体的問題が起こりやすい。
12:睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
一定時刻に服用し就床。服用後はおよそ30分以内に床につきましょう。アルコ−ルとの併用をしない。
以上、対策としてよくできていると思いますが、いかがでしょうか。
眠らないとどうなる?
これは古くから興味のある問題でした。世界記録はイギリスの17歳の男子高校生で、264時間(11日)12分です。4日目から精神症状、幻視が出現。7日目には記憶力が低下、11日目には思考が停止しました。しかし身体的には異常なく、その後14時間寝たあとは正常に戻ったそうです。ヒトは眠らないことで病気になることはなく、起きていられることができずに眠り込んでしまいます。しかし、長時間眠らないでいることにより、集中力、思考力、記憶力が低下し、情動も不安定になります。また、長期間にわたる睡眠不足では血圧の上昇や耐糖能が低下することはわかっています。
まず起きる時間を決める。起きた後は日光を浴び、身体を動かす。眠くなってから寝る。遅く寝たときも同じ時間に起きる。日中どうしても眠いときはむりをせず短時間の昼寝をする。それでも日中(特に午前中)に眠くなるようでしたら、ご相談ください。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
何をしてくれるの?
- 慢性疾患に対しては診療ガイドラインに沿った一般的な指導・治療を行います。うまく管理できないときは専門医紹介し、治療方針をたてています。
- 頻回に診させていただくことにより、重大な疾病の早期発見に努めます。
- 何でも気軽に相談できる雰囲気づくりに努めます。
- 守秘義務は守りますが、かかりつけ患者さんの情報をできるだけ把握する様努めます。
- 診療内容はわかりやすく説明しますが、その他に診療ノート(私のカルテ)を発行します。
- 急変時・救急受診が必要な際には当院に連絡下さい。搬送先への連絡・紹介状の用意を速やかに行います。24時間対応です。
- 他院受診が必要な場合は患者さんに最も適した病院を紹介します。紹介先確保のための情報収集はいつもしております。
かかりつけ患者になるには?
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
- 現在他の内科診療所に定期受診されていないこと(病院の専門科・専門科の診療所受診は除く)
- 他院受診のデータを当院で管理させて下さること
- 既往歴、家族歴などあらゆる情報を当院に教えていただけること(他に 職業歴・予防接種歴・生活パターン・家族構成・趣味・嗜好・服用薬・服用健康食品・受診病院・整骨院などの施設受診など)
- 主治医意見書を当院で作成すること
- 他の病院、診療所を受診される場合、当院の紹介状を持参してくださること
- 身体で何か異常が起こればまず当院に相談してくださること。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
◆編集後記
前回の記事で声が小さいことについて、ボイストレーニングを受けたらどうか、というご指摘をいただきました。有難うございました。歌手がするものだと思っていましたが、人前で話す人用、説明用のボイストレーニングもあるとのこと。一度調べてみます。
編集者が福岡に転勤になり、この院内報も福岡で編集して当院で印刷しています。
初めての試みだったため、5月号に間に合いませんでした。次号は予定通りに発行したいと思います。