◆お知らせ
10月になりました。祭りも終わり、秋の深まりを感じます。今年も残すところあ
と2カ月ちょっと。時のたつのは本当に早いです。
寒暖の差が大きいので、体調を崩されませんよう。
スティーブ ジョブス
今月私にとっての大ニュースはアップル創業者スティーブジョブス逝去、でした。
アップルCEO退任のニュースにもショックを受けていましたが、まだアップル社
にとどまっていたため、今後も新製品には関わってくれるだろう、という期待を
していました。
訪問診療中の車の中で、アップルのホームページをみてそのニュースを知りまし
た。膵癌手術後、肝移植を受けられていたというのは知っていましたが、そんなに悪かったのか、ということは知りませんでした。
ひとつの時代が終わったよう
な印象を受けています。
私がMac(アップル社製のパソコン、マッキントッシュのことです)を初めてみ
たのは平成元年・大学研究室勤務のときでした。それまで、PC-9801という国産のパソコンを使っていて、それなりに使いこなして満足はしていたのですが、Macのデモを見て、その使いやすさ、圧倒的な美しさ(モノクロでしたが)に衝撃を受けました。
すぐにSE-30 という機種を買い、メイン機種として使うようになりました。使っていてわくわくするパソコンで驚きの連続でした。それ以来Macの信奉者です。
開業してもMacを使っていましたが、電子カルテでMac対応のいいものがなかったため、やむなくウィンドウズパソコンを購入しました。今でもPrivateはMac,診療はWindowsで続けています。
iPod、MacBook Air,iPad,iPhoneも本当によくできており、その細部にまでこだわったもの作りは感動的で、いつも驚きを感じていました。
今、スティーブジョブスの伝記を読んでいます。強烈なキャラクターで劇的な人生を歩み、前人未到の業績を上げた人物ですが、実際のところはどうだったのか。そのアイデアと妥協を許さない製品を作り込んでいくまでにどのような仕事ぶりだったのか。
ベールに包まれた私生活は?アップルの今後はどうなるのか、、。
ジョブス死去と前後して発表されたいPhone4S。5になったら買おうかな、と思っていましたが、4Sはfor Steve とのこと、という噂が流れています。追悼の意味で買ってみようかな、と考えています。
ご冥福をお祈りします。
10月1日よりインフルエンザ予防接種を行っています。1回3500円、2回目は2500円、
忠岡町在住の65歳以上の方は1000円です。
今年からWHO推奨を受けて、3歳以上13歳未満は成人量と同じ0.5mlの2回打ちに変更になっています。13歳以上は0.5ml接種、1回または2回となっています。
インフルエンザワクチンは打てば必ず発症がおさえられるというワクチンではありません。
その役割はかかりにくくすることと、かかっても免疫があるために重症化しないこと。 死亡者や重症者を出来る限り減らすことが期待されています。
ワクチンの予防効果持続期間はおよそ5カ月と推定されています。
ワクチンの接種を受けていても、日頃から手洗い・うがいをきちんと行い、流行時期は人ごみをさけて感染機会を減らすことはとても大事です。
子宮頸がんワクチン、肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンも引き続き受け付けています。予約生です。
12月30日(金曜日)-1月3日(火曜日)まで休診させて頂きます。
予約診察がこの期間にあたる方は診療予約、薬の処方日数など変更させていただきます。
こちらも気をつけますが、定期薬服用中の方は休み中に薬が無くなるということのないようお願いします。
御迷惑をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
◆アネトス通信
だんじり祭りが終わり、秋が深まっていることを感じています。
去年に続き、琴和会の皆さんが大正琴を聴かせてくださることが決定しました。
日時 10月27日(木)
午後2時〜午後3時まで
場所 府営住宅忠岡東第一住宅集会場
演奏曲など詳しいことは、アネトスに掲示しています。(プログラムも用意しています。)
アネトスの利用者やご家族さんと一緒に楽しみにしています。
イベントは、出かける喜び、音楽を聴く喜び、参加する喜び、待つ喜びなど、単調な生活に張りを与えてくれ、心をときめかせてくれるでしょう。
次号で鑑賞後の報告をさせていただきます。
今年も後2ヶ月ちょっとですね、やり残しがないように、
充実した日を送りたいと思います。
◆RSウイルス
最近のニュースやテレビ番組でで、乳幼児に気管支炎や肺炎などを起こす「RSウイルス感染症」が流行していると報道されています。
国立感染症研究所によると、調査データがある2004年以降、9月-10月の患者数としては最多となりました。 だれもが子どもの頃にひいたことのある冬の「かぜ」ですが、喘息のような苦しそうな咳と喘鳴(ぜんめい・ぜいぜいすること)が特徴で、治りにくいため長期にわたって症状が続きます。
日本では、例年は秋から冬に流行しますが、今年は6月下旬から患者が増え始めたとのことです。ありふれた冬の風邪ですが、最近当院でも子供からうつったという保護者(成人)が、RSウィルス感染症と考えられるケースがあり(臨床症状のみで確認はしていませんが)、結構ひどい咳が続いていました。ちょっと注意が必要かなと思って調べてみました。
RSウィルス感染症は1歳までに50〜70%以上の新生児が罹患し、その1/3が下気道疾患を起こすと報告されています。また2 歳までにほとんど100%の乳幼児が一度は罹患するといわれており、3歳までにほぼ全ての小児が抗体を獲得します 。
母親からの抗体では、感染を防げません。一度かかっても免疫ができにくく、くり返し感染しながら徐々に免疫を獲得します。乳幼児では下気道炎や細気管支炎を起こしやすく、乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因の一つとも考えられています。
喘息や心疾患を持っている子どもでは特に重症化しやすく、持病の増悪につながるため注意が必要です。
またRSウィルスは感染力が強く、飛沫と接触感染の両方で感染します。
潜伏期は2-5日程度です。
RSウィルスはインフルエンザなどと比べ、認知度が低いです。
ある調査で、2歳未満の赤ちゃんを持つお母さん約1万名を対象に調べた結果、RSウイルス感染症を知っているお母さんは、約3 割にとどまっていたそうです。
感染後2〜5日の潜伏期ののち、鼻汁、咳(せき)、発熱などの上気道症状が現れます。
3割程度の人はこのあと炎症が下気道まで波及して、気管支炎や細気管支炎、肺炎を発症し、咳の増強、呼気性の喘鳴、多呼吸などが現れてきます。
すべての患者さんの1〜3%が重症化し、入院治療を受けます。
乳幼児の肺炎の約50%、細気管支炎の50〜90%を占めるとの報告があり、心肺に基礎疾患がある小児は重症化しやすいとされます。通常は数日〜1週間で軽快します。
新生児も感染して発症し、がんこな無呼吸を起こすことがあるので注意が必要です。
また、細気管支炎にかかったあとは、長期にわたって喘鳴を繰り返しやすいといわれています。
また、患児の面倒をみていた保護者がうつってしまい、発症することもあります。
軽くすむ場合が多いですが、重症化して、咳、喘鳴、発熱がみられることもありますので、注意が必要です。
冬季に乳児が鼻汁、咳に引き続いて「ぜいぜい」してきたような場合には、その30〜40%がRSウイルス感染症によると考えられます。
インフルエンザ検査のような鼻汁材料を用いたRSウイルスの抗原検出キットが使用可能ですが、入院児のみが保険適応になります。
2011年10月17日より乳児(満1歳未満の子ども)、「パリビズマブ製剤(商品名:シナジス)の適応患者」でも、保険適応となりました。残念ながら当院ではまだおいていません。
何故、通常外来診療で検査キットが保険で使用できないのか?ちょっと謎です。
確定診断をつけても治療法がないからでしょうか?
他の「かぜ」と同じく、水分補給・睡眠・栄養・保温をして安静にして経過をみることになります。つまり対症療法が主体になります。
発熱に対しては冷却とともに、アセトアミノフェン(カロナール)などの解熱薬を用います。喘鳴を伴う呼吸器症状に対しては鎮咳去痰薬や気管支拡張薬などを用います。
脱水気味になると、喀痰(かくたん)が粘って吐き出すのが困難になるので、水分の補給に努めます。
細菌感染の合併が疑われる場合は抗生剤を使用します。
国内では、2001 年にパリビズマブ(製品名:シナジスR筋注用)という抗RS ウイルスヒト化モノクローナル抗体が、RS ウイルス感染による重篤な呼吸器疾患の発症を抑える薬剤として使用できるようになりました。
ただ、RSウィルス感染者全員にこの薬が打てるわけではなく、早産児や呼吸器や先天的に心臓の病気をもつ赤ちゃんなど、特に重症化しやすい乳幼児に保険適応があり、投与されています。
この注射薬は、RSウイルスが流行している期間、月1回の注射を継続しておこないます。
通常1〜2週間で軽快します。
RSウィルスにかかってしまった場合の登園許可ですが、平成21年8月に記載の保育所における感染症対策ガイドライン(厚生労働省)によると、感染期間は 通常3〜8日間(乳児では3〜4週)当園の基準 は「重篤な呼吸器症状が消失し全身状態が良いこと」となっています。
RSウイルスなど感染症から子供を守るには、何よりも予防が肝心。RSウイルスは非常に感染力が強く、ウイルスがおもちゃなどに付着してから4〜7時間は感染力を持っているといいます。
日ごろから外出の後や調理・食事の前、鼻をかんだ後などは石鹸でよく手を洗いましょう。
RSウイルスが流行する秋から春の季節には、子供を人ごみに連れて行かない配慮も必要です。
RSウイルスは目や鼻、口の粘膜から感染します。乳児・幼児は手近においてあるものを何でも口に入れたがりますから、家庭内にかぜをひいている人がいるときは、アルコールティッシュなどで赤ちゃんの周りのものをこまめに消毒しましょう。
また、風邪をひいている大人は、マスクをつけて唾液や鼻水が飛び散らないように気をつけることも大切です。
RSウイルスに感染すると、大人は軽いかぜですんでも、はじめて感染する子供は炎症が下気道にすすみ、まれに肺炎や重症な気管支炎になることがあります。
保護者がかぜをひいたら、たとえ軽くても油断せずに、手洗いや消毒を徹底してください。
◆編集後記
当院からの情報、お知らせをメールで患者の皆様にお送りしようと考えています。
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また受付でも随時、皆様のメールアドレス(携帯でもPCでも)をお伺いしていきますので、当院からのお知らせを受け取ってもいい、という方は是非ご登録ください。