◆お知らせ
梅雨です。梅雨空が続き、太陽が恋しい季節です。と書いていると6月末、梅雨の合間の晴れ間でしょうか、真夏を思わせる日差しの強さです。蒸し暑いし、節電が叫ばれエアコンもままならないので、熱中症には十分注意してください。個人的には、高齢者の方は遠慮せずエアコンを使うべきだと思っています。若い人は涼しい恰好をして、水分・塩分を十分とり、エコな涼感グッズを使って我慢しましょう。前の院内報に書きました食中毒にもご注意ください。
糖尿病、アルツハイマー病などに外来で使用できる魅力的な新薬がいろいろ出てきています。実は私は新薬にはあまり飛びつかないタイプなのです。発売後6カ月とか1年とか経過して、重篤な副作用が無く、使用している医師の評判など確認してから使うことにしています。患者さん、ご家族の方から要請のあったものは使用するようにしていますが。
しかし今回は違いました。新薬のひとつに心房細動という不整脈で脳卒中予防のために使用されるプラザキサという薬が発売されました。今まで使っていたのはワーファリンという薬。いい薬なのですが、飲み合わせの悪い薬が多くあり、更に納豆、クロレラが食べられず、効果が個人差が大きいので毎回PT-INRという血液検査でその効果を調べないといけなかった、と何かとデメリットがある薬でした。
このワーファリンに代わるプラザキサという薬は効果はワーファリンと同程度で、血中のモニターの必要がなく、飲み合わせのない薬もなく、納豆制限もないとのことで、新薬には飛びつかないようにしている私がつい、使ってしまいました。
しかし、その後全国で3例の死亡報告例がでたのと、実際に使っている患者さんから、皮下出血が増えた、久しぶりに痔出血がでた、などの声があがり、ちょっと使用を控えワーファリンに戻している最中です。もう少し様子をみます。
PT-INRを毎回測定している方、もう少し辛抱してお待ちください。
平成23年度の住民健診が始まっています。特定健診で主にメタボにフォーカスをあてた健診です。
当院のエントランスにプチ健診始めました、という手書きのメッセージボードを置いています。当院に来院してこの院内報を読んでおられる方にはあまり縁のない話です。健診を受けていない方が結構多くおられ、その方を対象に気軽に自分の健康状態を知ってもらおうと思って始めたものです。あまり健診を受けていない、病院にかかりたくない人にお勧めしたいと思っています。周囲に不健康そうだけど、病院に行きたがらない方がいらっしゃったらご紹介ください。今後、条件があえば出張での健診も考えています。
震災の影響で調達できない薬剤があります。
いつも服用している薬が品切れで別の薬に変わる場合がありますのでご了承ください。
ISOの審査が7月5日に行われます。
午前中の診療予約が少し制限されます。
7月9日土曜日:研究会出席のため、休診します。
8月15日(月)- 18日(木)です。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
◆アネトス通信
◆紫外線対策
夏に真っ黒に日焼けした子供たちを見ると健康的で元気だなー、と思われるかもしれません。しかし、それは過去の話。紫外線(UV)の影響が明るみになった現在では、いかにして子供を紫外線から守り、日焼けさせないようにするかを考えなければならないのです。
紫外線によるお肌(皮膚)や身体に対する悪影響が細胞、遺伝子レベルで分かってきたことから、日本でも1990年代に入ると、紫外線対策についてさまざまな情報が得られるようになりました。その結果、年々UVケア商品(日焼け止め)の売上高は増加しており、街中でも日傘をさした人,腕カバーをして自転車にのるご婦人を見かける頻度が増えましたね。
では、紫外線とはなんでしょう。
太陽の光には目に見える可視光線の他に目に見えない光線が含まれています。可視光線のうち一番波長の長い赤の外にある見えない線を赤外線、可視光線の一番波長の短い紫の外にある光線を紫外線といいます。紫外線(Ultraviolet,UV)は生物に与える影響を基に波長の長い方からUVA,UVB,UVCに分けられています.波長が短いほど傷害性が強く,UVCは殺菌灯などに使われていますが,幸い地球を取り巻くオゾン層により吸収され,結局地表に届く紫外線は少量のUVBと大量のUVAです.地表の紫外線量は緯度,標高,天候,大気中のチリの量などにより大きく左右されます.紫外線が強いのは5月から9月、午前10時から午後2時頃です。曇りの時でも紫外線は薄い雲なら80%は通過しますので注意が必要です。赤道近くは紫外線が強いこと・山では空気の層が薄く,澄んでいるため平地より紫外線が強いことも知っておきましょう.
紫外線にはいい面もあります。ひとつはビタミンDの生合成です.ビタミンDの主な働きはカルシウム代謝の調整です。ビタミンD不足は骨粗鬆症の原因のひとつで、骨粗鬆症の方は日光に浴びてください、といわれたことがあると思います。とはいっても日焼けをするほどの「日光浴」が必要なのではなく、両手の甲くらいの面積が15 分間日光にあたる程度、または日陰で30 分間くらい過ごす程度で、敢えて日光を浴びなくても日常生活で知らず知らずに浴びてしまう程度の紫外線で十分ということです。
また紫外線が尋常性乾癬やアトピー性皮膚炎の治療に使われることもあります。最近は副作用の少ない医療用紫外線治療器が皮膚科で使われています。いずれも、日焼けをするまで日光に当たる必要はありません。
一方,悪い面に関してはたくさん挙げられています.
一時に大量の紫外線を浴びれば日焼け(サンバーン)を起こしてしまいます.日本語の「日焼け」という言葉は紫外線により皮膚が赤くなる「サンバーン」と,その後黒くなる「サンタン」を含めて使われていますが,サンバーンは紫外線による皮膚のヤケド,サンタンはその結果おこるメラニン増加です.
また,少量でも長年にわたって浴び続ければ慢性障害として光老化が起こります.これは色素斑(シミ),シワ,として歳をとってから現れてきます.
最近は更に紫外線が皮膚の免疫反応を抑えてしまうことも分かって来ました.外部から侵入する細菌やウィルス、体内に生じた異常な細胞を排除しようとする免疫反応が紫外線を浴びることにより低下します。
紫外線は細胞のDNAに傷をつけます.細胞にはそれを修復する機能がありますが,長年にわたり繰り返し傷つけられているうちに,傷の直し間違いが起こり突然変異となります.その部分がたまたまガン遺伝子などガンの発生に関わる遺伝子であった場合,その細胞は勝手に増殖してガンになります.
強い紫外線にばく露したときに見られる急性の角膜炎症で、雪面など特に紫外線の反射が強い場所で起きる“雪目(ゆきめ)”が有名です。
目の水晶体が濁る病気。皮質白内障というタイプでは紫外線が危険因子として知られています。
紫外線の害から体を守るために
太陽の下,屋外で様々なスポーツなどを楽しむことは,心身のリフレッシュにとても有意義なことですが,小麦色の肌を求めて海岸で身体を焼くというような,不必要な日光浴は避けるべきです.UV対策として、日傘,広いつばが全周にある帽子,長袖,長ズボンなどにより,皮膚に到達する紫外線をできるだけ減らすことが第一です.そして,皮膚には最後の砦として日焼け止め(サンスクリーン剤)を塗ります.
サンスクリーン剤の性能は以前よりSPFという値が用いられています.これはSun Protection Factorの略で,UVBに対する防御効果を表しています.最近ではSPF50以上の場合,製品には単にSPF50+と表示するようになりました.一方,UVAについてはPA(Protection Grade of UVA)という表示がなされていて,+から+++の3段階があります.
最近は少なくなりましたが日焼けサロンで肌を真っ黒に焼く方がいます.日焼けサロンのうたい文句は,有害な紫外線UVBをコントロールして,害のないUVAで肌を焼くのでダメージはないというものです.しかしながら色が黒くなるのは皮膚に傷害が起こった結果メラニンがたくさん作られたためであって,皮膚のダメージなしに褐色の肌は得られません.UVAはUVBと比べて確かに害作用は弱いのですが決して安全とはいえません.
最近はニュース番組の天気予報のコーナーで花粉症シーズンが終われば紫外線情報を教えてくれるようになりました。「ちょとくらいなら日焼けしてもいいだろー」という考えが将来のシミ、シワに繋がったり、皮膚ガンの発症率を高める可能性があります。紫外線を怖がりすぎるのも考えものですが、無用な紫外線暴露を避ける生活態度が望まれます.
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
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