◆お知らせ
早いもので、今年もあと一カ月となりました。
肌寒い日が続きます。今年は暑い夏が長かったという印象的で、近畿に上陸する台風も少なく、秋を感じる間もなく冬になったようが気がしています。
インフルエンザのシーズン到来という情報もありますので、ご注意ください。
インフルエンザ予防接種しています
日本を含めた温帯地域では毎年冬に「季節性」インフルエンザが流行しますが、昨年は「新型」と呼ばれたインフルエンザが流行の中心になりました。
季節性のワクチンはすでに製造が始まっていましたが、その途中で「新型インフルエンザ」ワクチンの製造に切り替えられました。そのため、ワクチンの品不足でかなりの混乱がおきたことは記憶に新しいところです。特にお子さんなどは季節性ワクチン2回と新型ワクチン2回接種が必要とされましたので、計4回の接種となり、子供にも医療機関にも大変負担がかかりました。
今年のインフルエンザワクチンはさまざまなデータを分析して、2009年にパンデミック(世界的な大流行)となり、国内では新型と呼ばれたA/H1N1亜型と季節性のA香港型(A/H3N2亜型)、B型の3種類のウィルスに対するワクチンをまとめた混合ワクチンが用いられることになりました。
今年は特に優先順位もきめられておらず、ワクチンも潤沢にあるため、希望すれば誰でも受けられます。
費用は1回3,500円、2回目は2,500円、忠岡町在住の65歳以上の方は1,000円です。
詳しくは受付にお問い合わせください。
インフルエンザワクチンは打てば必ず発症がおさえられるというワクチンではありません。
その役割はかかりにくくすることと、かかっても免疫があるために重症化しないこと。 死亡者や重症者を出来る限り減らすことが期待されています。
ワクチンの予防効果持続期間はおよそ5カ月と推定されています。
ワクチンの接種を受けていても、日頃から手洗い・うがいをきちんと行い、流行時期は人ごみをさけて感染機会を減らすことはとても大事です。
禁煙治療
希望される方は多いのですが、相変わらず薬が不足しています。タバコの値上げを機に禁煙を決意される方が増えました。
ニコチンパッチや飲み薬は治療薬で、楽に禁煙することができます。
是非この機会に禁煙をご検討頂きたいのですが、爆発的な禁煙ブームとなったため、残念なことにニコチンパッチもチャンピックスというのむ禁煙補助剤も全国的に品薄となっています。
現在新規の方の禁煙治療はお断りしている状況です。
来年からは禁煙補助薬剤は安定供給ができると聞いています。
薬剤があるかどうかは、すみませんが、受付にお問い合わせください。
★お知らせ★
院長の研究会出席のため、12月1日夜診、12月4日午前診30分早めに終了します。
また年末年始休暇は12月30日午後〜1月4日まで。1月5日より通常診療いたします。
予約診察がこの期間にあたる方は診療予約、薬の処方日数など変更させていただきます。
御迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
◆アネトス通信
日本シリーズで千葉ロッテマリーズが優勝しましたね。
先日、スタッフの一部とサービスを学ぶ機会がありました。
和倉温泉の加賀屋という旅館で、プロが選ぶ日本のホテル旅館・100選で30年連続総合部門1位だそうです。
加賀屋のおもてなしの心は、いつもお客様の満足を第一に考え動くことであり、小さな気配り、心配りを基本とした客室係りのサービスです。今はどこにでも見られる、女将によるお部屋周りの挨拶は、ここ加賀屋で始まりました。
実際に40年勤務された72歳の客室係りのサービスを体験し、職員の認識の高さを体感することができました。アネトスにおいても学んだサービスを活かし、満足度の向上に努めていきます。
http://www.kagaya.co.jp/index.php
◆特集:大腸がんについて
今回は最近増加傾向の大腸がんについての情報提供です。
大腸は小腸で消化吸収された残りの腸内容を、水分を吸収しながら便にするところです。
約2mの長さがあり、盲腸ー上行結腸ー横行結腸ー下行結腸ーS状結腸ー直腸とすすみます。
日本人の大腸がんは肛門に近いS状結腸、 直腸に多いことが知られています。直腸は最も肛門に近い腸で、15cmくらいの長さなのですが、大腸がんの約半分はこの直腸にできます。
これは、腸内容が硬くなってきている部位で刺激が大きくなり、粘膜が剥がれ落ちる数が多く、その分補強される数が多くなり細胞分裂が盛んになるためと考えられています。年齢ではの罹患率では50歳代付近から増加し始め、高齢になるほど高くなります。
大腸がんの症状は、一般に便通異常(便秘、下痢)、便が細くなる、残便感、血便、腹部腫瘤、腹痛、腹部不快感などがありますが、この症状があれば大腸がん、というものはありません。中でも血便の頻度が高く、これは癌の中心が潰瘍となり、出血がおきるためです。痔と勘違いして、市販薬ばかり使用していて受診が遅れることもあります。貧血があらわれてから初めて気がつくこともあります。
大腸がんは早期であればほぼ100%近く完治しますが、一般的には早期大腸がんは無症状です。できればというか是非この早期の段階で発見されることが重要となります。大腸がんのスクリーニング(検診)は公費の補助により行われているのが便潜血反応です。
専用の容器に便を少量つけて提出すると便の中に血液が混ざっていないかどうかを調べます。以前は化学反応で検出したため感度が悪く、動物・魚の血液にも反応したため食事制限まで必要でしたが、現在はヒトヘモグロビンにのみ反応する免疫学的検査です。この検
査が陽性でも大腸がんがあるということではありませんし、逆に陰性でも大腸がんはない、とは言えません。当然のことながら出血している病変しかわかりませんので、早期がんでは陰性にでることが多いです。また、痔でも陽性になってしまうこともあり、不必要な癌の心配をさせてしまうことにもなります。
しかし、便潜血が陽性にでたら速やかに精密検査を受ける必要があります。
もっとも正確な精密検査は大腸の内視鏡です。バリウム検査(注腸検査)は正確性の点で内視鏡より劣ります。
大腸内視鏡は前処置として腸を空っぽにしておく必要があり、この処置が結構大変という方は多いです。
便潜血反応で陽性で大腸内視鏡が必要となった方で検査を受けられた方は60%程度とのこと。胃のバリウム検査で精密検査(胃内視鏡)が必要といわれた方の受診率は80%近いことから考えると少し低い精密検査受診率となっております。
やはり大腸内視鏡が苦しく痛みを伴う検査である、また前処置で大量の水薬をのみ
下痢をするのが大変、というあまりよくない評判が多いからでしょうか。
幸いなことに泉州地域には大腸内視鏡を得意とされている医師が多数おられます。
また病院によっては麻酔をかけて、寝ている間に検査が終了していてとても楽だった、
という声もよく聞きます。安心して検査を受けましょう。
最近では無症状の場合でも、一年に一度の便潜血検査、
3年に一度の大腸内視鏡検査が勧められています。
治療は大腸がんのできる部位、進行度によって変わります。早期の場合、内視鏡で病変を切除することができます。
最近ではこの技術が進歩して、以前だったら開腹手術して腸切除をしていたケースが内視鏡だけで治療可能だということもたびたび経験されます。この内視鏡で粘膜の下の層を剥離していく方法は高度な技術を要し、切除に多少時間がかかり、切除面の傷も広くなるため、入院治療が必要です。
しかし、開腹手術に比べるととても侵襲が少なく、生体にとって優しい治療です。できればこの段階で大腸がんを発見したいものです。内視鏡で完全切除が難しいものは手術による腸切除が必要になります。手術も以前は大きな傷でしたが、最近は腹腔鏡での手術が開発されています。
こちらも外科医に特殊なトレーニングが必要な手術ですが、当院近くでも泉大津市立病院、岸和田徳洲会病院、泉佐野市立病院などいくつかの病院がこの治療を得意としています。
抗がん剤なども発達しているのですが、治療は病院に任せるとして、予防の話をします。
大腸癌は,動物性脂肪の摂取量の多い人がかかりやすいとされています。
これは動物性脂肪による細胞分裂促進作用や,動物性タンパクの加熱により生成される発がん物質などによるものと推定されています。また,肥満やアルコールの摂取も,大腸癌になる危険を高めることが示されています。一方,十分な野菜類を食べることや定期的な運動をすることが,大腸癌の発生を抑制することが認められています。
しかし,最近,野菜や果物をたくさん食べても大腸癌になる危険性は変わらないとする大規模疫学調査の結果が報告されました(厚生労働省研究班)。しかしながら,胃癌の予防には野菜や果物の摂取が効果的との結果がすでに出ており,研究班では「野菜や果物を食べることは奨励すべき生活習慣であることに変わりはない」としています。
その他に,ビタミン D,カルシウム,葉酸などの摂取が大腸癌になる危険を下げるという報告もあります。
一方,古くから大腸癌の予防に有用だと考えられていた食物繊維については,最近の研究の結果が一致せず,その効果は確認ができない状況です。また,最近では,アスピリンなどの消炎鎮痛剤が大腸癌を予防すると報告されていますが,現在その効果と安全性に関する検討が行われているところです。
大腸癌の発生を抑える有効な予防法は現在のところ確立していません。大腸癌を予防するために今できることは,動物性脂肪,赤身肉,貯蔵肉,アルコールの摂取量などを少なくするとともに,食生活に注意して肥満にならないようすることです。すなわち運動などを含めた規則正しい生活とバランスのよい食事を心がけることが大切だといえます。
また一年に一度は便潜血検査をしましょう。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
何をしてくれるの?