◆お知らせ
暑中お見舞い申し上げます。
梅雨も明け、気温が35度を超える猛暑日が続きます。体調管理には十分お気をつけください。
熱中症に注意
熱中症のニュースも新聞でみかけます。亡くなった方もおられます。大半は高齢者で半数は屋内で死亡されています。特にエアコンを用いずに窓を閉め切った室内で亡くなるケースが目立ちます。高齢者が温度変化に気付きにくいというのも熱中症の頻発につながっているようです。
また高齢者が一人でいると、自分ひとりなのにエアコンをつけるのがもったいない、エアコンは人が来たときだけ、という感情が働くようです。さらに慢性的に脱水傾向にある高齢者の方の中には、のどの渇き感じにくい方もおられます。そして水分を多く取ると汗をかく、トイレによく行きたくなるの理由で水分を我慢しているというケースもあります。
訪問診療をしておりますと、主に高齢者の方のお宅で、かなり暑く湿度の高い部屋に遭遇します。室内でも熱中症は起こることを忘れてはいけません。
最近私は携帯熱中症計というのを持ち歩き各所で測定しています。診療所の中はほぼ大丈夫ですが、車の中は危険ランプが光ります。一人で暮らしている私の身近な親族の家では湿度、気温ともに高く、厳重注意ランプとブザーが鳴ります。エアコンはあるけど、もったいないので自分ひとりのときは使わないとのこと。
気温と湿度が高い場合はできればエアコンを使って温度調整をする。エアコンが嫌いな方は最低窓をあけ、風通しをよくするようにしてください。
また水分補給(塩分も)もこまめにするようにしてください。
Twitter始めました。
今までmixiもブログも公開することなく中途半端で終わってしまいましたが、今回は続けようと思います。アカウントは@tmajimaです。まだ自分のメモとしてつぶやいているだけですが、よければフォローしてください。
専門医の頃(外科で癌の遺伝子が専門でした)は学会誌、医学ジャーナルなどで情報収集をしていましたが、開業医の今は勉強というか情報収集の主なソースは新聞です。新聞記事で今の流れを把握して、興味のある記事はネットでその背景の情報まで調べるようにしています。
5年前から医療に関する記事の切り抜きを始め、4年前からスタッフにお願いして、記事をスキャナーで取り込みPDFにしてパソコンに保存しています。
膨大な数ですが、折にふれ見直したり、ニュース検索しています。オンラインの新聞記事がネット上にあるので、保存は不要ではという気もするのですが、自分が目を通した記事というのはまたそのときの状況など思い出すこともあり、なかなかやめられず続けています。
また新聞に目を通すのは医療記事だけでなく、他のニュースも目に入りますので社会勉強にもなります。ですから新聞を読み、医療記事をピックアップするという習慣は続けようと思います(いまだに産経と日経の2誌だけですが)。
Twitterでは医療の新聞記事を収集して一言だけ自分の感想をつぶやいて、集めていこうと考えています。そのうち、訪問診療なう、だとか暑いなども携帯からつぶやいていき、日記みたいにして使えればいいなと思います。1日につぶやいたTwitter上の自分の記事はまとめてEvernoteに転送する仕組みにしています。まずは続けることから始めます。
8月の盆休みは8月16日(月)・17日(火)・18日(水)です。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
◆アネトス通信
参院選が終わりましたね。これからどうなるのか?
アネトスでは芳香浴を取り入れています。
芳香浴はアロマセラピーでもっとも簡単で取り入れやすい方法です。芳香浴は精油の揮発する特性を生かして、空気中に揮発した精油の芳香成分が呼吸により体内に取り入れられると、嗅覚で信号となり脳へ伝達され、体のバランスを整えたり肺胞より血中へ吸引されその薬理効果により体内の各器官に作用を及ぼします。
アロマポットやディフューザーだけでなく、手軽にカップに60℃のお湯を注ぎ1から2滴の精油を落としたり、ハンカチやティッシュなどに直接精油を数滴落として使用することも出来、殺菌や消臭、リフレッシュ効果が得られます。
香りには好みがありますが、利用者様と職員に心地よい空気を提供したいとブレンドしています。
◆特集:手のふるえについて
自分の意志とは無関係に動く体の一部の動きを不随意運動といいます。
不随意運動の中には、けいれん、口や舌をもごもご動かすジスキネジア、ひとつの筋肉を突発的に連続して動かすチックなどがあります。不随意運動の中で一番多いのがふるえで、医学的には振戦といいます。規則的、律動的な四肢、体幹の細かい運動のことです。
緊張したときに手足が震える、コップを持つ手が震えるのは経験された方は多いことと思います。
振戦はその出現状況により、安静時振戦、姿勢振戦、動作時振戦に分類できます。
(1) 安静時振戦→何もしていないリラックスした状態でおこるふるえ
(2) 姿勢振戦→ある一定の位置に手足を持って行くとおこるふるえ
(3) 動作時振戦→運動するときや運動しようとしたときにおこるふるえ
安静時振戦はパーキンソン病でおこりやすく、姿勢振戦、動作時振戦は本態性振戦のときによく見られます。
先にも書きましたが、ストレス、緊張で手足が震えるなど特別のときだけに出現し
あまり病的意義の少ないふるえもあります。
しかし、常時ふるえる、生活に支障がでるような病的なふるえも存在します。
振戦を起こす疾患、病態は多いのですが、代表的なものを上げます。
1.パーキンソン病
パーキンソン病は脳の黒質という部分の変性が原因で起こる難病の一つです。
初期症状としては、静止時の手などのふるえ(振戦)の他、筋肉の硬直(腕を屈伸させると歯車様のカクンカクンとした抵抗を生じる)がしばしば起こりますが、進行するにつれ表情の変化が乏しくなり動きも少なくなる、歩行時に前屈姿勢となり手の振りも少なくなり急に方向を変えたり立ち止まることが困難になるなどの症状がみられるようになります。
2.本態性振戦
100人にひとりくらいにある主に動作時に出現する手のふるえです。
本態性とは原因が明らかでない、ということです。脳には全く異常はみられません。
家族性に発生することも多く、高齢者に多いのですが、思春期から青年期に発症することもあります。
3.血管障害
血管障害としては脳幹部の障害による中脳性の振戦や赤核振戦というのが知られています。動作振戦です。
4.代謝性疾患
有名なのは甲状腺機能亢進症(バセドウ病)で細かい振戦が主として姿勢保持時に出現します。
アルコール、タバコ、水銀、コカイン中毒などでみられることがあります。肝臓が悪くなるときに起こる肝性脳症の症状である羽ばたき振戦も時に遭遇します。
5.薬剤性振戦
プリンペランやドグマチールなどの薬を長期間飲んでいると手のふるえなどが現れることがあります。
とくに何か薬を飲み始めてから手のふるえが起こってくると薬による影響を考えなければなりません。
診察室で手の震えをみたら
振戦のおこりかた、家族歴、薬の使用状況、アルコール・タバコなどの使用状況、筋肉の硬直・歩行時の姿勢・表情・動き・日内変動(パーキンソンの症状)、頸部の腫れ(甲状腺腫の有無)、肝腫大・黄疸(肝性脳症)などをチェックします。
ある程度の大まかな診断をつけたうえで、甲状腺機能を含めた血液検査、脳のCTかMRIも一度チェックしておきたいです。
実際には本態性振戦とパーキンソン病による手のふるえが最も多く、この2つの病気の鑑別が重要です。
パーキンソン病は手足にふるえが多くみられるのに対して、頭にはあまり起こりません。
本態性振戦は頭や手によくみられ、足に出ることはあまりありません。
またパーキンソン病の手のふるえは静止時に(いつとはなく・何もしない無意識のとき)出やすく、何か動作をしようとするとふるえが軽くなる特徴があります。
本態性振戦のふるえは静止時には起こりにくく、字を書くとか物を持つ時など何かしようとするときにふるえが強くなります。
両指をあわせる、両手を水平にそろえて上げる、コップの水を飲む、コップに水を注ぐなどがうまくできない時には本態性振戦の疑いが強くなります。
また本態性振戦は飲酒で軽くなりますが、パーキンソン病のふるえは飲酒に影響を受けません。パーキンソン病は進行性に症状が悪化しますが、本態性振戦は何年も悪化することはありません。
本態性振戦の動作時振戦は、頭のふるえや声のふるえを伴うことがあります。
本態性振戦ではふるえ以外に他の神経学的な異常は認められません。
このような違いで見分けていきます。
治療
薬物が原因の場合は中止。甲状腺、肝性脳症、脳疾患の場合はそれぞれの原因疾患に応じた治療で経過をみていくことになります。
パーキンソン病の場合も抗パーキンソン病薬でのコントロール。本態性の場合、ベータブロッカーという薬が有効な場合があります。安定剤を処方することもあります。
手の震え、自分では生理的範囲内と考えていても思わぬ病気が潜んでいることがあります。一度御相談していただくことをお勧めします。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
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