◆お知らせ
新年あけましておめでとうございます。皆様はどのような新しい年をお迎えでしょうか?
今年一年いい年になりますよう。本年もよろしくお願いします。
当院10年目を迎えています。いい機会でしたので、ISO9001を取得した2004年に作成した待合室の壁にも貼っています品質基本方針を見直してみました。
当院は、地域住民の皆様の健康を守り、QOL(生活の質)向上のため、いつでも気軽に安心して相談できる「かかりつけ医」として、信頼される地域密着型の診療所を目指します。
1.どんな疾病でも対応できる初期総合診療を実践します。
2.かかりつけ医として、健康管理・疾病予防に努めます。
3.安心した自宅療養のために在宅医療の充実を行います。
4.ニーズに合った適切な医療サービスを迅速に提供するために、密接な病院との情報共有(病診連携)を図ります。
5.医療サービスの効率化のために、「IT化」を積極的に推進します。
改定が必要かどうか順に検証していきますと、1番のどんな疾病でも、といっても実際は産婦人科領域、明らかな骨折を含む外傷、突然の心肺停止などは病院に紹介するだけになります。しかし、病院に紹介するまでの初期治療はできる、と考えればこの文章でもいいのかな、と思います。
2−4番のかかりつけ、在宅、病診連携については概ね出来ていると思います。ただ、3番の在宅医療の充実については訪問看護をはじめ多職種と連携して、とか良質な介護サービス(当院の療養通所介護を想定していますが)を提供して、を盛り込みたいところです。そのようなことを含めた充実であればこの表現でいいのいかも、という気はします。少し文章を検討してみます。
5番目のIT化も当院でできることはほぼ完了しています。課題はレントゲンのデジタル化です。現在はフィルムをフィルムスキャナーで読み込んでデジタル化しています。あとはネットを利用した病院とのカルテ、検査の情報共有くらいになってきています。
診療情報の一部であるレセプトがオンライン請求でき、住基ネットもある時代ですから、安全性さえ確立できれば技術的にはクリアーできるでしょう。ただこれは一診療所が画策する問題ではなく、国・自治体のレベルでのインフラ構築が必要になってきます。
対応できる準備はしておかねば、とは思います。
ということで、しばらく手つかずでしたが、方針に変わりは無く、当院は今年もこの品質目標に沿った医療を提供していきます。
インフルエンザ等について
忠岡町の65歳以上の方への季節型予防接種は12月末で終了しています。季節型インフルエンザの自費での接種はワクチンがある間受け付けます。
新型ワクチンについては、65歳以上の方の接種が1月20日から始まります。予約制です。詳しくは受付にお聞き下さい。
肺炎双球菌のワクチンも特に65歳以上の方はよろしければご検討ください。
2月13日土曜日、院長学会出席のため休診します。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
◆アネトス通信
新年明けましておめでとうございます。
今年もアネトスでは色々なことに取り組み、利用者様と家族様により一層喜んでいただけるよう頑張ります。
★まだ厳しい寒さが続きます。寒さ対策は『3つの首』を温めてください。
首(マフラー)・足首(靴下、レッグウォーマー)・手首(手袋)
★免疫力を高めて寒い冬を乗り切りましょう。
・睡眠を十分とる。
・適度に運動する。
・3食バランスよく食べる。
・手洗い、うがいをきっちりする。
・楽しいことをする。
以前にお願いしていた、サービスの向上を図るためアンケートを実施いたします。お手数をおかけますが、ご協力お願いいたします。
施設利用ですが、まだ少し利用枠に空きがあります。直接の問い合わせは0725-32-2884まで。
介護保険を利用したサービスですので、担当のケアーマネジャーや訪問看護師、主治医へご相談ください。施設や医院にパンフレットを用意しています(施設見学可能)。
ぜんざいを美味しくいただきました
◆特集:うつ病について
新年早々うつ病か、と思われるかもしれません。この2日間うつ病の勉強をする機会に恵まれました。もともと外科医で、精神的な疾患はほぼ無縁というか極力避けてきました。
しかし、自殺者が年間3万人、自殺者のうちうつ病を含む精神障害の有病率は80〜100%。更に自殺した人のうち40〜60%が自殺の1ヶ月以内に医師のもとを訪れており、その半数以上の人が精神科ではなく、一般診療所を受診していたとのこと。ということになると逃げてばかりもいられません。
軽症のうつ病は当院でも治療(服薬だけですが)し、自殺をしそうな人は見極めて、当院での治療は無理でも専門医の元に紹介する必要があります。
自分の知識整理のためにもここで書いておきます。
うつ病とは気分障害の一種であり、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠症などを特徴とするこころの疾患です。原因は正確にはわかっていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れと考えられています。
決して心構えに問題があるのではなく、身体に原因のある病気で、気力・根性で回復するものではありません。
人がうつ病にかかる可能性については、近年の研究では15%程度という報告が多いようです。100人のうち15人は一生涯のうち、1度はうつ病にかかるということで、その多さに驚かされます。
うつ病の診断についてですが、今はDSM-Wという診断基準を使います。
DSM-Wの診断基準は、2つの主要症状が基本となります。それは
1.「抑うつ気分」と
2.「興味・喜びの喪失」です。
「抑うつ気分」とは、気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなどです。
「興味・喜びの喪失」とは、以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、いわば感情が麻痺した状態のことです。
この2つの主要症状のいずれかがあることがうつ病と診断するための必須項目とされています。
その他に以下の7つの症状
3.食欲と体重の増減
4.睡眠の異常(不眠・過眠)
5.精神運動性の制止と焦燥:心身にブレーキのかかった状態。考えがまとまらず行動もスムーズにいかない。
焦燥は落ち着きがない様子がみられます。
6.疲れやすさ、気力の減退
7.無価値感、罪責感:自分には何の価値もない、夫(親、妻)失格だ、などと過剰に自分を責めてしまう。
8.思考力や集中力の低下:自分では何もきめられないなどの決断力の低下としてでてくることもあります。
9.自殺念慮・死についての反復思考
以上9つの症状のうち、主要症状の1つを含む5つ以上の症状が2週間以上続いた時をうつ病と診断します。
当院では気分の問診票を使って上記症状をお伺いすることにしています。
また、DSM-Wの2つの主症状の問診:この1ヶ月間、気分が沈んだり、憂鬱な気持ちになったりすることがよくありましたか? この1ヶ月間、どうも物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくありましたか?
うつ病の88%の方がこの2つの質問で、はい、と答えられるそうです。うつ病の拾い上げには有効な2つの質問といえます。
うつ病ではいろいろな身体症状がでます。
頭重、頭痛、肩のこり、目の疲れ、耳鳴り、口渇、息切れ、動悸、手足の冷え、全身倦怠感、不眠、神経痛などなど。これが重なってでてきます。
身体症状が強すぎて、医師がうつと考えなかったという例もよくあります。
診察室でうつ病を疑うサインは多彩な訴え、とらえどころのない曖昧な症状、身体所見や検査結果に比べて症状が強い、既に色々な検査をして異常が無いにもかかわらず症状が長く持続している、この症状さえとれたら元気でやれそうな気がします、と答える。調子が悪くても「休むことはできません」と答える。など。一通りの検査を行うと同時に上記の質問、問診をしてみることが診療所医師の大事な役目ということになります。
治療は今、SSRIという副作用が少ないうつ病のいい薬がでています。
まずこの薬を初期量から始めて、症状をみながら十分量まで増量していきます。
一番いい時を100として、今は何点くらいですか?という質問で効果を判定します。
調子がよく80点以上が半年以上続くようなら薬は徐々に減らしていくことができます。
あまり良くならない場合は専門医受診して、次のステップの抗うつ剤を処方していただくことにしています。
うつ病はうまくコントロールすれば6ヶ月程度の治療で回復するケースが60〜70%といわれ経過はいい疾患です。
しかし、必ずしも全員が軽快するわけではありません。一旦回復した後にも再発しないという方もおられますが、うつ病を繰り返す方もおられます。
自殺につながる病態ということを頭において慎重に対応していきたいと考えています。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
何をしてくれるの?