◆最近の動き
日増しに寒くなり、雪の便りも聞かれるようになりました。今年ももう残り少なくなってきました。
寒くなるとやはり風邪・インフルエンザが心配、ということで今号の特集はインフルエンザの解説をしています。
新聞では鳥インフルエンザのことがほぼ毎日でていますね。流行する前に正しい知識を身につけましょう。
当院ではインフルエンザ予防接種の予約を受け付けております。午前はお昼12時から、午後は夕方5時30分からとなっております。詳しくはスタッフにお問い合わせください。
ところで、月刊を目指している院内報ですが、平成18年度から発行日を変えさせていただきます(主に院長の個人的理由により)。月初め(原則的に1日)に発行します。都合により11月号は休刊させていただきます。
平成18年度1月号は1月5日に出る予定です。みなさんに楽しんでいただけるようにがんばります。
院内報に掲載する医療情報を調べるのに、新聞の切り抜きをしてます。スタッフにも協力してもらって、みなさんのお役に立ちそうなものを当院待合室掲示板にも貼っていく予定です。また、ファイルして閲覧していただくことも考えています。
◆年末年始診療のお知らせ
年末は12月29日(木)午前中まで。
年始は1月5日(木)より診療します。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
ちなみに12月31日は泉大津休日診療所、1月3日は忠岡病院におります。
◆特集:インフルエンザ
かぜの原因となるウイルスは、200種類以上あるといわれます。鼻をぐずつかせるもの、のどをはれさせるもの、おなかが痛くなるもの、などさまざまですが、とりわけ怖いのは、高い熱と全身倦怠・頭痛・腰痛などの重い全身症状を引き起こすインフルエンザウイルス。このため、医学的には、インフルエンザを「流行性感冒」と呼び、ほかのかぜ(普通感冒)とは区別して扱っています。
インフルエンザにかかると39℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く、あわせて、のどの痛み、鼻汁などの症状も見られます。更に、気管支炎、肺炎などを併発し、重症化することが多いのもインフルエンザの特徴です。また、インフルエンザは流行が始まると、短期間に小児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込むという点でも普通のかぜとは異なります。更に、普通のかぜが流行しても死亡する人はあまり増えませんが、インフルエンザが流行すると、65歳以上の高齢者での死亡率がふだんより高くなるという点でも大きな違いが見られます。
インフルエンザにはA、B、Cの3つの型があります。A型インフルエンザウイルスの表面にはHA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼという酵素)の2種類の突起があります。人に感染するインフルエンザウイルスのHAは3種類(H1、H2、H3)、NAは2種類(N1、N2)が知られています。有名なA香港はH3N2、Aソ連はH1N1のウイルスというように表現します。
インフルエンザは鳥や豚などにも感染し、鳥ではHAが15種類、NAが9種類もあります。通常、鳥のウイルスは人間にうつりませんが、豚は人間、鳥両方のウイルスがうつります。その豚が鳥のインフルエンザウイルスに感染し、さらに同じ豚が人のインフルエンザウイルスに感染し、その豚の体内で人間と鳥のウイルスの遺伝子の一部が置き換わる(交雑といいます・突然変異のひとつです)と、人にも感染する新型が発生します。これが新型ウイルス発生のメカニズムです。
今話題の鳥インフルエンザはH5N1で、鳥のウイルスなので、人には感染しないハズだったのですが、鳥から人に感染が確認されています。ただ遺伝子の型は鳥の型のままですので、大流行にはまだなっていません。これが人に移るタイプに突然変異が起こると、大流行になる可能性があり、世界各国でいろいろ対策を考えているところです。
インフルエンザウイルスは1年中いるのに、どうして冬になるとインフルエンザが流行するのでしょう。これにはいくつかの理由が挙げられます。まず、インフルエンザウイルスにとって温度20度前後、湿度20%前後が最も生存に適した環境で、長時間空気中に漂っていられます。実験では閉め切った大きな箱の中を湿度20%、温度20度に設定してインフルエンザウイルスを吹き込み、六時間後に調べると70%近くのウイルスが生きていますが、温度は変えず、湿度を50%以上に上げると3%のウイルスしか生きていませんでした。次に湿度は20%にして温度を32度にすると17%に減っていました。冬の気象条件はウイルスにとって非常に都合がよいのです。
一方、人側の要因として、寒いところでは、鼻・のど・気管などの血管が収縮して線毛の動きが鈍くなります。線毛はウイルスや細菌の侵入をできるだけ少なくする働きをしますので、線毛の働きが悪くなるとウ イルス が侵入しやすくなります。さらに、冬は窓を閉め切った部屋にいることが多くなりますので、中に患者が一人でもいて、せきやくしゃみでウイルスをまき散らせば容易にうつる訳です。ウイルスが気道粘膜に取り付くと猛スピードで増殖し、16時間後には1万個に、24時間後には100万個に増えて粘膜細胞を破壊し始めます。そのため、インフルエンザの潜伏期は非常に短く、短期間で大流行を引きおこしてしまいます。また、特定のウイルスに感染して回復すると私たちの体にはそのウイルスに対する抗体ができて、二度と感染しないのが普通ですが、インフルエンザに何度もかかるのはウイルス側が生き延びるために遺伝子の配列を少しずつ変え、免疫の網の目をくぐりぬけようとするからです。
インフルエンザの診断に今では迅速キットが欠かせません。鼻・咽頭粘膜から綿棒で粘液を採取して検査します。
インフルエンザに罹患すると、抗ウィルス薬が有効です。タミフルという薬ですが、鳥インフルエンザにも効くといわれています。大きく変異してしまうと、効かないかもしれませんが…。
インフルエンザの予防法
睡眠不足や、体力が落ちているときなどにインフルエンザにかかりやすいものです。体力の維持と、うがい・手洗いが一番です。
1. インフルエンザに負けない体力維持のために
*過労をさけ十分な睡眠をとる
*栄養と休養を十分とる
2. 感染予防のために
*うがい,手洗いを励行する
*人ごみを避ける
3. 鼻、のど等を乾燥からまもる
*マスクをする
*加湿器などを使用する
4. 感染防御のため
*ワクチンを接種する
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
何をしてくれるの?
- 慢性疾患に対しては診療ガイドラインに沿った一般的な指導・治療を行います。うまく管理できないときは専門医紹介し、治療方針をたてています。
- 頻回に診させていただくことにより、重大な疾病の早期発見に努めます。
- 何でも気軽に相談できる雰囲気づくりに努めます。
- 守秘義務は守りますが、かかりつけ患者さんの情報をできるだけ把握する様努めます。
- 診療内容はわかりやすく説明しますが、その他に診療ノート(私のカルテ)を発行します。
- 急変時・救急受診が必要な際には当院に連絡下さい。搬送先への連絡・紹介状の用意を速やかに行います。24時間対応です。
- 他院受診が必要な場合は患者さんに最も適した病院を紹介します。紹介先確保のための情報収集はいつもしております。
かかりつけ患者になるには?
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
- 現在他の内科診療所に定期受診されていないこと(病院の専門科・専門科の診療所受診は除く)
- 他院受診のデータを当院で管理させて下さること
- 既往歴、家族歴などあらゆる情報を当院に教えていただけること(他に 職業歴・予防接種歴・生活パターン・家族構成・趣味・嗜好・服用薬・服用健康食品・受診病院・整骨院などの施設受診など)
- 主治医意見書を当院で作成すること
- 他の病院、診療所を受診される場合、当院の紹介状を持参してくださること
- 身体で何か異常が起こればまず当院に相談してくださること。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
◆編集後記
インフルエンザ特集はいかがでしたか?
流行の前に正しく予防を心がけましょう。
クリスマス・お正月とイベントが続きますが、無理をしないように…。
寒い毎日が続きます。医院ではもうすぐ大掃除です。