◆お知らせ
7月も中旬になりました。昨日は激しい雷雨でした。梅雨明け間近と思われますが、蒸し暑い時期になります。
6月24日にISO9001の外部審査が行われました。
審査に際しては多少受診制限をしましたので、ご迷惑をおかけしました。監査を受けたところ、特に厳しい指摘もなく、適正に運用されているという報告でした。看護部でgood
point を指摘されたこともあり、いい感じで審査は進みました。
顧客(当院にとっては患者さんですが)の満足度向上のために始めたISO9001の取り組みです。是非趣旨をご理解頂き、当院の取り組みにご協力ください。
クレームは改善・向上のきっかけになると考えていますので、何か気になる点があれば、改善提案用紙に書いてポストにいれていただくか、直接スタッフにまでお申し出ください。よろしくお願いします。
新型インフルエンザが静かに猛威をふるっています。
日本の患者数が4000人突破と報告されていますが、最近は新型の確定診断のためのPCR検査をしていませんので、患者数の総数は不明でもっと多いのだろうと思います。
泉州地域にも患者さんが発生しました。もうほとんど季節性のインフルエンザと同じ対応でいい、という指針が出されていますので、診療所でも受診される可能性があります。高熱の方は少し待つ場所を変えていただいておりますのでご了承ください。
A型インフルエンザが迅速検査で陽性だったとしても特に保健所への届け出は不要で、新型インフルエンザのPCR検査はもうしない、ということになっています。
50代以上の人には免疫があるのではないかといわれていますが、詳細はわかりません。ただ、若い人の感染は多いようです。
10代のタミフルの処方はまだ慎重に、ということです。リレンザか漢方薬・麻黄が使用されます。更にタミフル耐性の新型インフルエンザも報告されているようで、こちらが秋以降の第二波の感染が気になるところです。
7月22日には日食が大阪でも観察されるそうです。午前中診療中の時間なので、ずっとみておくことはできませんが、ちらっとは見に出ようかと思っています。直接太陽をみると目を傷めますので、ご注意を。昔は下敷きをあててみていましたが、それもよくないようで、専用のメガネがあります。
あまり暑くなるのも困りますが、この日は雨・曇りでないことを祈ります。
今月の2〜3ページ目ですが、アネトス通信が長くなっていますので、これを今回の医療情報とします。
外来通院中の方にはあまり関係はないですが、胃瘻の話です。
ご家族の方の介護された方にはなじみがあるはず。以前は食べられなくなって入院していた人のほとんどに鼻からの栄養チューブか高カロリー用の点滴が入っていましたが、今では第一選択がこの胃瘻です。
この10年くらいで急速に発達してきた医療技術です。在宅医療においても非常に便利ですが、食べられなくなった高齢者にすべて胃瘻をつくるのか、という議論が最近あるのも事実。
認知症になって食べられなくなったら、自分はどういう医療・介護を受けたいのか日頃から考えておく必要があるな、と思います。
夏期休暇
今年は8月15日から18日までとなりました。
◆特集:胃瘻
蒸し暑い時期になり、クーラーや扇風機で体調を崩されていませんか?体調には十分に気をつけてください。
今回の話は経腸栄養の中の胃瘻にしました。経胃瘻経管栄養法(PEG・医療者はペグと呼びます)は、食事が摂れなくなったときに行われる方法のひとつです。直接お腹の上(皮膚)から胃の中に食品や栄養剤を入れる方法で、アネトス利用者の半数以上の方がこの方法で栄養管理されています。
★ PEGの利点
1)消化管を利用するため、生理的で身体に優しい。
2)静脈栄養(点滴)に比較して、安価である。
3)中心静脈栄養(点滴)に比較して安全。
4)在宅管理が可能。更に入浴なども可能で社会復帰できる。
5)最近ではいろいろ便利なキットが開発されている。
6)いままで内服していた薬剤をそのまま使用できる(簡易懸濁法:薬をお湯で溶かす方法)。
7)生活の質の向上(食事介助にかかる時 間の短縮が図れ、リハビリやゆとりの時間が作れ
介護者の負担を軽減することができ、要介護者もチューブによる不快がなく、自己抜去することが少ない)。
★ PEGの欠点
@誰でも造設できない(適応がある)。
A造設に専門的設備と技術が必要。
B造設や交換時に合併症がある。
C瘻孔周囲の漏れやチューブ・トラブルがある。
★ PEG栄養法の手順(アネトスでのケアの実際)
1)必要物品を揃え、栄養剤は常温にしておく。
2)栄養剤の液体をイリゲーター(容器)に移しチューブの先端まで満たしておく。
3)座位または30度から45度程度ベッドの頭側をあげる。
4)吸引して、胃内容物を確認する。
5)微温湯を注入し、スムーズに注入できることを確認する。
6)周囲から漏れないことを確認する。同時に、胃瘻チューブが抜けていないか確認する。
よければ、内服薬を簡易懸濁法にて注入する
7)胃瘻チューブとイリゲーターを接続して滴下量を調節する。
8)栄養剤の投与が終了したら、微温湯でスムーズに注入できるまでフラッシュする。(60〜100ml)。
9)注入が全て終了したら、クランプし接続をはずす。
10)キャップを閉める。
11)注入終了後30分以上は同じ体位を維持させる。
12)1日1回は胃瘻チューブ内に酢水(10倍希釈)を通すと、チューブの汚れによる閉塞を予防できる。
★ 栄養剤の固形化について
固形化経腸栄養剤とは,寒天などを利用して栄養剤をゲル化し「重力に抗してその形態を保つ」経管栄養剤です。
液体の経管栄養剤と異なり生理的な形態のため「嘔吐」「栄養剤漏れ」「下痢」に対しての改善効果が期待されています。固形化剤としては、寒天やゼラチン、卵などがあり、他に固形化ではありませんが粘度増強剤やトロミ剤などを利用したものもあります。
アネトスでは胃瘻孔周囲の漏れやチューブ・トラブル、皮膚トラブルなど、主治医や訪問看護を連携しながらケアを行い、PEGの強制栄養で食事への意識が薄れて、気力も低下しないよう嚥下訓練を継続しています。
食べることで味・臭い、食感を楽しみながら脳の活性化を図り、中枢神経や末梢神経に働きかけ、利用者のADLの向上や生活の質の向上を図っています。
(文責・アネトス 川上法子)
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
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