◆お知らせ
梅雨入りしました。まだ雨は少なくうっすらと肌も汗ばむ陽気です。そろそろ雨の季節が始まりそうな気配です。
5月は新型インフルエンザに振り回されました。
忠岡、泉大津の中学校は18日から1週間の休校となりました。
発熱外来も設置され、私にも出務依頼がくるかと思っていましたが、流行期に入ったためにその役目を終えました。
今回の新型インフルエンザは強毒性のH5N1ではなく、やや毒性の弱いH1N1型であり、タミフル・リレンザが有効であることがわかっていたので少し気は楽でした。軽症のまま経過する人が多かったようです。しかしいつ強毒性に変異するか、という危険性ははらんでいました。
マスクが買えない時期がありました。
情報が錯綜し、医療者側もどう対応していいのかはっきりしませんでした。
私は発熱患者がもし当院に受診された場合、一般の予約の方と別の部屋でお待ちいただき、インフルエンザの簡易検査をする、そしてA型が検出された場合和泉市の保健所に連絡して、指示を仰ぐつもりでした。
幸なことに当院及び和泉・泉大津・忠岡・岸和田地域では新型インフルエンザの発症はありませんでした。6月にはいり、感染者も少なくなったため、一応の安全宣言が出されています。
しかし、九州地方において感染者が増え、WHOはパンデミックを意味するフェーズ6への引き上げを宣言しました。当地では今回の騒ぎはいったい何だったのか、と思えるくらいの静けさを取り戻しています。この経験を次に秋にくると予想されている新型インフルエンザあるいはH5N1型の強毒性のトリインフルエンザ流行に生かすことはできるでしょうか?
いいニュースもあります。
7月には新型インフルエンザのワクチンが市場に登場するという噂で、これに期待したいところです。
これを機会に日頃から手洗い、うがいの習慣をつけるよう、また咳をしている人は咳エチケットを守るように心がけましょう。
特定健診
健診を受け付けています。該当されるかたは受付で予約をとってください。
御自分が特定健診の対象者に該当するかどうかわからない方は受付でお聞き下さい(保険者によりちょっと複雑です)。
6月20日土曜日、院長研究会出席のため、11時半で診療を終了させていただきます。
また、6月24日水曜日、ISO9001の継続審査のため、予約を制限させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
夏期休暇
今年は8月15日から18日までとなりました。
◆アネトス通信
排便について
食べ物は、口から消化管を経由して最終的に肛門から排便となって排出されます。
小腸から大腸に入った時の便の形状は流動体(食べてから約5時間)、粥状(約8時間)、半固形状(約12時間)、固形状(約18時間)となり、便自体の重みで直腸内に便が送られると排便中枢や脳(大脳皮質)情報が伝達し、便がしたくなります。
小腸では消化を受けながら栄養分の吸収が行われ、大腸では水分吸収が主に行われます。
成人の大人で1日に必要な水分は2リットルですが、消化管で処理される水分は9リットルでそのうちの70%〜80%は小腸で、20%〜30%は大腸で処理され、便として出されるのは1%しかありません。その1%で便の硬さになるわけです。
水分を摂る量が少ないと便秘になりがちなのですが、腸には予備能力があり水分が多いからといって
下痢になることは少ないのです。
また、腸は蠕動運動といって腸の内容物を少しずつ動かし、食事を摂ることや運動をすることでその働きを助けています。
寝たままの状態や運動ができない人は健康な人のように適度な運動と水分を摂ることが難しく
便秘傾向になることがあるのでチェックしてみてください。
@水分は十分に摂れていますか (成人で1日約2リットル)
A食事内容はどうでしょうか (炭水化物だけになっていないか、植物繊維は摂れていますか)
B排便ができる環境が整っていますか (可能であれば座位をとり重力をかけ、怒責(きばる)姿勢を。)
C入浴やマッサージなどで温め物理的に刺激することで自立神経に働きかける。
D内服管理(緩下剤など) (用法・用量などきちんと飲めていますか)
★処理する前に便が黒い・血が混じっていないか、など気をつけて見てみてください。
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◆特集:肩こり
肩こりは俗称ですが、後頚部から肩の上方、肩甲骨付近に生じる、時に痛みを伴う疲労感のような不快感といえます。
肩こりを訴えられる方は、肩がはる、つっぱる、重苦しい、上に何か乗っている、文字通りこるなどと表現されます。診察室の私の前でそのような訴えをされると、その方のカルテの表紙には頸肩腕症候群という病名が記録されます。
私にとってはとても都合のいい、一般の方にとっては何のことかわからない病名です。
頸肩腕部になんらかの障害のあるときの包括的病名で、診断確定までの一時的診断名として用いる病名ですが、ずっとそのままの病名が使われています。肩こりの愁訴を有する人は厚生労働省の国民生活基礎調査によると、男性5.7%、女性12.3%でした。男性では腰痛に次いで第2位、女性では1位の訴えでした。肩こりは症状としては頻度が高いといえます。
ある民間の調査では成人男性の約3人に1人、成人女性の約2人に1人は肩こりを感じたことがあるという結果がでており、その割に肩こりだけで医療機関を受診する人は少なく、市販の湿布などで紛らわせる人が多いとのことです(信憑性は不明)。
現代社会は機械化、省力化が進んで便利になった反面、人々は運動不足になってストレスが増え、ますます肩こりを誘う環境となってきているようです。
肩のこりを最初に表現したのは夏目漱石であると伝えられていますが、実際は江戸時代にその表現があるそうです。
しかし、漱石以後肩の凝りを訴えるようになった人が多くなったのは事実。肩こりという概念や言葉があるため、自分も意識してしまうということはありそうです。
肩こりに関係する筋肉はいろいろありますが、首の後から肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉がその中心になります。
では、なぜ肩こりがおこるのでしょうか?
原因として考えられているものには
・筋肉のoveruse(使いすぎ)
・長時間同じ姿勢での作業(PC操作・書字など)
・体格、姿勢:猫背、前かがみ、なで肩、運動不足で首の筋肉が萎縮
・精神的ストレス
・肩を冷やしてしまう:冷房
などがあげられており、これらの原因がいくつか重なって、肩の筋肉が緊張するため血流が悪くなり、乳酸などの疲労物質が蓄積してそれが刺激になって筋肉から痛みを誘発する物質が出てくると推定されます。
そのほかに器質的な疾患・例えば頸椎疾患、肩関節疾患、頭蓋内の疾患、目の疾患、循環器系疾患、腹部疾患、耳鼻科領域の疾患、肺癌等の悪性腫瘍による神経の圧迫などに伴う肩こりがあります。
自分では肩こりと思っていても、実は狭心症だった、胆石症だったということはたまに経験されること。医療機関では問診・診察・検査でこれら器質的疾患がないことを確かめる必要があります。こりの部位、発症の契機、症状の増悪させる肢位、こり以外の症状の有無などが問診で聞かれますので、受診前に確認してください。
肩こりの治療ですが、医療機関では筋の緊張をとるような治療をします。
温熱療法、マッサージ、痛みのある部位へ注射、湿布、消炎鎮痛剤、筋肉を柔らかくする薬、血流をよくするビタミン剤、漢方薬などが処方されます。自宅では入浴・リラクゼーションも有効です。
しかし何より大事なのが運動です。首を回す、肩を上下する、腕を上に上げる(バンザイの姿勢)、肩を回す、鉄棒などにぶら下がる(昔ぶらさがり健康器なるものがありました。結構肩こりには有効なのでは、と思います)、胸の前で手を合わせて両手を押し合うなどをしてください。
こるから安静に、は肩こりでは禁物です。
肩こりは予防しましょう。上に挙げた運動は予防にも有効です。
あとは同じ姿勢を長くとらないこと。パソコン、書字などは30〜40分に1度は休憩して運動しましょう。入浴、リラックス、肩を蒸しタオル(最近は電子レンジを使いますね)などであたためるなども有効です。
繰り返しになりますが、自分では単なる肩こりと思っていても、何かの疾病が隠れていることもあります。長引く場合は整骨院ではなく一度は医療機関を受診してください。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
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