◆お知らせ
吹く風も夏めいて、うっすらと肌も汗ばむ季節となりました。
報道などで皆様御存知のことかと思いますが、新型インフルエンザ(H1N1型)が大阪府においても発生し、国内流行拡大期にはいってきました。
この原稿を書いている18日には約100人の感染が確認されています。
大阪府の橋本知事は流行警戒宣言を発し、府全域が政府の定める「患者や濃厚接触者が活動した地域等」に指定されたことを明らかにしました。
休業要請が府内の中学校・高等学校及び、豊中、池田、吹田、高槻など8地域の小学校・幼稚園・保育所にも出されています。現在感染は100人ですが、もっと広がっている可能性もあります。今後泉州地域にも影響がでてくるものと思います。
和泉保健所には17日には79件の発熱相談センターへの相談があったそうですが、発熱外来への紹介はまだありません。
現段階では海外渡航者、感染者の濃厚接触者について発熱外来に紹介する方針ですが、感染拡大に伴い発熱外来が稼働するでしょう。当地では泉大津市立病院が主幹となります。大阪府が流行警戒宣言をしていますので、今後インフルエンザ様症状(発熱、倦怠感、食欲不振、咳)はまず発熱相談センターに連絡してください。
大阪府:06−6944−6791、
和泉保健所(泉大津、忠岡、和泉市)0725−41−1342、
岸和田保健所072−422−5681です。
状況は刻々と変わりますので、テレビ・ラジオなどの報道に注意しておいてください。免疫がないので、感染の拡大が懸念されます。幸いなことに今回の新型インフルエンザは強毒性のH5N1ではなく、やや毒性の弱いH1N1型であり、タミフル・リレンザが有効とのことです。
軽症のまま経過する人もいますが、基礎疾患のある人は重症になることがありますので、注意が必要です。また強毒性に変異する可能性もあるかもしれません。
予防は一般のインフルエンザと同じです。手洗い、うがい、マスクを励行してください。今後、感染が広がるにつれ、感染した方は自宅で経過をみることになると思います。外出はできるだけ控えるようにしてください。
特定健診
健診が5月第3週から再開しております。該当されるかたは受付で予約をとってください。
6月20日の土曜日、院長研究会出席のため、11時半で診療を終了させていただきます。
また、6月24日水曜日、ISO9001の継続審査のため、予約を制限させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
◆アネトス通信
インフルエンザが猛威をふるっています。以前からパンデミック(大流行)について院長から心得をお話いただいておりましたが、なんとなく他人事でした。マスクの売れ切れなど耳にして、改めて日ごろからの準備が大切だと痛感しています。
アネトスでは下記のような看護を提供しています。
ご自宅で行われている看護(訪問看護)を継続し、安心して施設を利用しながら在宅生活を送ることができるよう計画しています。
具体的な内容は
@病状の観察
A日常生活の支援(食事・清潔・排泄・移動)
B医療ケア(床ずれの手当て、胃ろう管理、吸引、吸入、人口肛門、膀胱の管理、人工呼吸器管理など)
C薬の管理
Dリハビリ
E癌のケア(痛みのケア)
F精神・心理面のケア
G介護相談
H各種関係者との連携など
※利用している訪問看護や関係機関と情報を常に共有し、隙間のない看護を提供しています。
最近のアネトスを利用している方々は会話をしたり、買い物や散歩を
楽しまれる他に施設内で携帯電話にチャレンジしたりする人や絵画を
するなど、新しいことに挑戦する姿をよく見かけます。
一般通所介護ではなかなかサービスを受けることが難しい方や、医療
ニーズがあり看護師の観察が常時必要な方は、生活以外に目を向ける
ことが困難な状況でしたが、アネトスで看護師と共に過ごすことで、安心
して生活の質の向上が図れています。
手先の練習として使用を検討しています。⇒
◆特集:機能性胃腸症
今回は胃潰瘍や胃がんなど明らかな原因が無いにもかかわらず、胃痛、胃部不快感、胃もたれ、むかつき、腹部膨満感、食欲不振が続く病態・機能性胃腸症についてです。機能性胃腸症(機能性ディスペプシアとよばれることもあります)は以前は慢性胃炎、神経性胃炎と言われてきた病態とほぼ同一です。
ある調査によりますと、4人に1人は最近3ヶ月以内に痛み、胃もたれなどの上腹部に関する症状があるとのこと。
さらに胃の調子が悪く、胃内視鏡などを受けても明らかな病変のある方より所見の無い方のほうが多いそうです。つまり胃の機能異常によるこの疾患は意外に多いということが言えます。
胃は食物が入ると拡張して、食べ物を一旦貯えながら、胃酸を分泌して消化し、少しずつ十二指腸(小腸)に送り出す仕組みになっています。これには、人が意識しても調節することのできない自律神経や消化管ホルモンなどが複雑に関与します。
胃の機能の異常によっておこるこの疾患は、ストレスなどによる緊張状態が自律神経の働きを抑えて胃の蠕動運動が低下したり、胃壁を保護する粘液の分泌低下、胃の知覚過敏、胃の拡張能の低下することが原因と考えられています。
性別、年齢を問わず起こりますが、30〜50歳代の女性に比較的多いようです。
機能性消化管障害の国際的な診断基準であるローマ基準が改訂されました(Rome V)
6ヶ月以上前から症状があり、3ヶ月以内に下記の基準を満たすこと。
1.以下の項目がひとつ以上あること
a.辛いと感じる食後のもたれ感
b.早期膨満感
c.心窩部痛
d.心窩部灼熱感
2.症状の原因となりそうな器質的疾患が内視鏡検査で確認できない。
この基準を満たすと機能性胃腸症と診断されます。血液検査、内視鏡検査で器質的疾患がないことを確認することが重要です。
治療はまず生活習慣の改善が第一です。
胃の機能を整えるためには、過労・ストレスを避け、十分な睡眠が必要です。神経の緊張状態は胃の運動を低下させ、胃酸の分泌を亢進、胃を保護する粘液の分泌低下の原因となります。
また、規則正しい食事をしてください。寝る前の暴飲暴食はさけるようにしましょう。
食事内容としては甘いもの、油っこいもの、刺激物は控え、よく噛むことを心がけてください。嗜好品ではタバコ、アルコール、コーヒー、チョコレートなどが胃の運動を低下させることが知られています。
またこの機能性胃腸症、その症状によって胃もたれなどの食後愁訴症候群、痛みのある心窩部痛症候群に分類されます。このタイプにより少し使う薬が異なります。胃酸を抑えるPPI、ガスターのようなH2ブロッカー、粘膜保護剤、胃の動きを整える薬、漢方薬などを症状に応じて処方します。
しかし、胃の症状があるといって、この機能性胃腸症と自己判断せずに胃潰瘍、胃がん等の器質的疾患の除外が大事です。
症状のある方は胃の内視鏡を受けられることを御勧めします。
当院では鼻からの内視鏡を行っています。鼻を通れば、口からするよりずっと楽なようです。ご相談ください。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
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