◆謹賀新年
新しい年になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。
早いもので父より診療所を継承して、8回目の新年を迎えました。
一昨年より医療法人となり、かかりつけ医機能と在宅医療を中心として診療をしています。
昨年の当院の動きです
10月より隣の民家をお借りして、療養通所介護を立ち上げました。当院で在宅診療を提供している医療依存度の高い患者さんをお連れして、一日過ごしていただく施設です。よく街でみかけるデイサービス、デイケアより重症の方が多いイメージで、主に看護師が対応します。まだ始まったばかりですが、スタッフのおかげで利用者さんの満足度はとても高いです。
パンフレットを作成し、受付においています。
昨年より重大疾病予防のための高機能検診のご希望を当院のかかりつけ患者さんを対象にお伺いしています。
まだすべての方に行き渡っていませんが、少しずつすすめていきます。
また、ISO9001に少し力をいれだしました。
昨年の初めから新たにコンサルタントにお願いして院長の私も含めて職員教育を勉強会の形で開始しました。内部監査、ヒヤリ・ハット、改善提案などに新しい動きがでています。当院を利用される患者さんも是非改善提案をしていただきたいと考えています。何かお気づきのことがあれば(どんなことでも結構です)、スタッフまでお申し出ください。
今月は外来患者さんを対象にアンケートをお願いしています。2月に集計、3月にマネジメントレビューでの解析・改善提案の形で文書を作成して掲示する予定です。ご協力よろしくお願いします。
今年の目標ですが、上記療養通所介護を軌道にのせることと、かかりつけ医機能の向上・改善提案の仕組み作りを目指します。
今シーズンは大阪府のインフルエンザの出足が早かったのですが、1月になって寒くなったためかまたインフルエンザが少し再燃しています。予防のためにうがい、手洗いを励行してください。このシーズン、医師看護師ともにマスクをして診療にあたることが多くなりますので、ご了承ください。
◆アネトス通信
新春のお喜びを申し上げます。
まだ昨年の10月にオープンしたばかりですが、今年から少しずつアネトスの紹介をしていきたいと思います。
まずは、スタッフ紹介をします。
施設長:山崎、事務長:山野、看護師:川上、運転手(ヘルパー):初田、ヘルパー:松尾
男性2名、女性3名の計5名です。
施設長を一言でいうと、『マントのような人』です。利用者やご家族はもちろんスタッフまでを暖かく包んでくれる人です。病院での看護部長職を全うされ、施設に来られました。知的で好奇心が旺盛、色々挑戦されているようです。
事務長を一言でいうと、『締めの人』です。医院と施設の財務省。几帳面で机がきっちりとされており、頼りになる人です。施設の運転手の代行や色々お世話になっています。
サービス担当責任者の看護師:川上を一言でいうと、『調整の人』です。争いごとは嫌いです。利用者様やご家族様に寄り添っている人になりたいと思っています。
運転手(ヘルパー)の初田を一言でいうと『気のいいドライバー』です。声が大きくて、人情深い方です。タクシーの運転手業をされていました。ヘルパーとしての経験がないので、現在勉強中です。
ヘルパーの松尾を一言でいうと、『岸和田の元気印さん』です。いつも笑顔で、明るく対応してくれます。病院での経験もあり、色んなことによく気がつく人です。
今年のアネトスの大きな目標は施設の充実です。
@サービス内容の整備(業務内容検討、利用者アンケート)
Aスタッフの教育と役割分担
BISOの取得
などをあげています。これらを達成することで、利用者様やご家族様が安全で安心して利用できる施設で、尚且つ『快適な空間』に努めたいと考えています。
記:川上
◆特集:尿のトラブル・頻尿
寒くなってきたためか、尿の回数が多い、夜トイレに毎晩2回以上起きるなどのお話を聞くことがあります。尿のトラブルには尿がもれる、尿の回数が多い、尿が残ったような感じがある、などなど多々あります。今回は尿の回数が多い・頻尿という問題を取り上げます。
正常な排尿とは
正常な人の排尿の頻度はどれくらいなのでしょうか? もちろん人によって多少の差はありますが、だいたい日中で5〜7回、寝ている間は0回が正常と言われています。夜は人間の体は、ゆっくり睡眠をとることができるよう、尿の製造量を控えるようにできています。ですから、夜間に一度でも排尿のために眼が覚めるようでしたら、昼間の排尿頻度が少なくても頻尿の症状が出ているのではと考えてみるべきです。
そもそも、脳が、「排尿をしたい」と認識するのは、膀胱に200ミリリットル程度の尿が溜まったときであるとされています。膀胱の畜尿量は、大体400ミリリットル前後ですから、このときはそれほどには切迫感はないはずです。人が「そろそろトイレに行っておかねば」と認識するのは、300ミリリットル程度の尿が蓄積されたころですからとされています。最初に「トイレに行きたい」と気付いたときに、すでに切迫感があるようでしたら、「過活動膀胱」という病気の可能性があります。
過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」(尿意切迫感) 「トイレが近い」(頻尿)、「夜中に何度もトイレに起きる」(夜間頻尿)、「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」(切迫性尿失禁(尿漏れ))などの症状を示す病気です。最近の調査で、とても多くの方がこの病気で悩んでいらっしゃることがわかりました。その調査では40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱の症状をもっているとのことです。実際の患者さんの数は、800万人以上ということになります。この中で、切迫性尿失禁がある人は、約半分でした。
原 因
過活動膀胱には、脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外の原因で起こる「非神経因性」のものがあります。
(1)神経因性としては脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、脳・神経の疾患があげられます。
脳と膀胱(尿道)の筋肉を結ぶ神経の回路に障害が起きると、「膀胱に尿がたまった」「まだ出してはいけない」「もう出していい」「膀胱を緩める(締める)」「尿道を締める(緩める)」といった信号のやりとりが正常にはたらかなくなります。その結果、膀胱に尿が少ししかたまっていなくても尿を出そうとしたり、「締める」「緩める」の連携がうまくはたらかなかったりして、過活動膀胱の症状が出るのです。
(2)非神経因性過活動膀胱(神経トラブルとは関係ない原因)
・骨盤底筋のトラブル
女性の場合、加齢や出産によって、膀胱・子宮・尿道などを支えている骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることがあります。そのために排尿のメカニズムがうまくはたらかなくなり、過活動膀胱が起こります。
・それ以外の原因
上記以外の何らかの原因で膀胱の神経が過敏にはたらいてしまう場合や、原因が特定できない場合もあります。いくつかの原因が複雑にからみあっていると考えられています。この原因の特定できないものや加齢によるものが、実際には最も多く存在しています。
診断と治療
排尿に関係した症状などで日常生活に支障がある場合、医療機関でご相談ください。過活動膀胱スクリーニング質問票や、過活動膀胱の症状の程度を調べるための過活動膀胱症状質問票(OABSS)という簡単な質問票があります。質問票をあげておきますが、質問3が2点以上で、合計点が3点以上ですと、過活動膀胱の可能性があります。排尿に関係した症状があるからといって、必ずしも過活動膀胱とは限りません。正常な排尿の場合は、途切れることがありません。一定の量ずつ、スムーズに排出されるはずです。尿がちょろちょろとしか出ない場合、また不快感や痛みがある場合、途中で何度か排尿が途切れるようでしたら、膀胱炎・尿道炎かもしれませんし、男性の場合は前立腺肥大が原因かもしれません。他の病気の可能性も含めて確認するための検査が必要な場合があります。
過活動膀胱の日常生活でできることで膀胱訓練が有効です。
・自分の排尿をコントロールする力をつける
尿意切迫感や尿漏れを気にするあまり、少ししか尿がたまっていないのにトイレに行くくせがついてしまうと、膀胱が小さくなったり、過敏になったりして、尿をたくさん蓄えることができなくなることがあります。このため、ますます尿トラブルが悪化してしまうのです。このような場合は、膀胱に尿をためる訓練をして、膀胱の能力をもとに戻すことで、症状を改善させることができます。
方法: 尿意を我慢する練習を、短い時間から始めて、少しずつ時間を延ばしていきます。
a.トイレへ行くのを1回だけ我慢してみましょう。
b.最初は5分くらい我慢し、1週間ほど続けます。尿意を感じるたびにではなく、
1日のうちの時間や回数を決めて、少しずつ始めてもいいのです。
c.10分、15分と、我慢する時間をだんだん 延ばしていきます。
d.最終的に2〜3時間我慢できるようになれば、目標達成です。
訓練と併せて、排尿日誌をつけると、自分の排尿の傾向がわかり、尿トラブルの頻度の高い時間帯に訓練の時間を合わせるなど、対策が立てやすくなります。 また、訓練の成果もよくわかり、励みにもなるでしょう。排尿日誌には、排尿した時間、尿の量などを記録します。1回の排尿の量は200〜300ccくらいが目安です。
・膀胱訓練が有効でない場合もあります
膀胱訓練で効果が出るのは、過活動膀胱による尿意切迫感や頻尿の場合です。
感染症や前立腺肥大症などの場合は症状を悪化させることもあります。きちんと診察を受け、自分の尿トラブルの原因を理解した上で、医師の指導に従って行うことが大切です。
現在抗コリン剤という過活動性膀胱の薬が多くでてきています。尿の悩みのある場合、是非ご相談ください。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
何をしてくれるの?