◆ISO9001継続審査にパスしました
当院では患者満足度の向上と業務の継続的改善を目的に、昨年7月ISO9001を取得しました。取得後一年間は、ISO9001の要求事項に沿って業務をすすめています。
月1回の職員間のミーティング、内部監査、マネジメントレビューなどをしてきました。実際、取得前と比べて職員からの要望・意見なども上がってきますし、院内の業務はスムーズにまわるようになっていることは実感します(ホームページ http://www.majima-clinic.jp/topics4.html または 院内報創刊準備号 をごらんください)。
一年目の継続審査が7月28日に行われ、無事パスすることができました。不適合事項は指摘されず、院内業務の数点が観察事項としてあがりました。改善事項として対処しています。うまく運用されている、とISO審査員の方からの評価もいただいています。
改善のもとになるアンケート・クレームなども皆様からいただくようにしています。大変参考になる御意見が多く、これからも御協力をお願いしたいと考えています。最近クレームとしてあがったのが、「職員の私語が気になる」、「院内報の発行が遅い」でした。職員の私語が患者のいる前でも大声でされており、帰るときにいつも聞かれるお大事にの声かけもなかった、とのことでした。職員の私語については、言い訳のしようもなく、当院ではこのようなクレームはあがらないものと思っておりましたので、残念に思っております。
院内のミーティングで患者さんがいらっしゃるときは職員間の私語は慎むこと、職員同士注意をすることの徹底を指示しました。今後はこのようなことは起こらないと思っておりますが、目につくようでしたら、職員に教えていただければと思います。言いにくければご意見箱に入れていただくようお願いします。
院内報の発行が遅れがちというご指摘については、創刊時は月間を目標としておりましたが、院長の原稿の提出が遅く、現在隔月間になっています。9月以降、原稿の締切日を10日と設け、15日には発刊という予定を組みました。このようなクレームがあがるということは読んでくださる方がおり、中には楽しみにされている方があるとのことですので、今後は遅れないようにお届けしたいと思います。
今後も患者様の満足度向上と業務改善のためにISO9001に取り組んでまいります。
◆特集:メタボリックシンドローム
「メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)」という言葉をご存じでしょうか?直訳しますと代謝症候群。以前はシンドロームX(エックス)、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群とも呼ばれた複合生活習慣病です。
最近、過食や運動不足によって内臓脂肪が蓄積し、高血圧症や高脂血症(コレステロールやトリグリセリドの高値)、糖尿病(インスリン抵抗性)など複数の生活習慣病を合併する人が増えています。これらの病気を起こすおおもとに、糖代謝や脂質代謝などさまざまな代謝異常があることがわかってきました。このため、こうしたリスクが重なって存在する病態を「メタボリックシンドローム(Metabolic
Syndrome)」と呼んでいます。
厚生労働省の調査では高血圧患者数は3,900万人、高脂血症は2,200万人、糖尿病(予備軍を含め)は1,620万人、肥満症は468万人と言われており、これらの患者は年々増加しております。中高年がかかりやすい生活習慣病である「糖尿病」「高血圧症」「高脂血症」は、それぞれ単独でもやっかいな病気ですが、これらの病気が重複すると動脈硬化を促進し、さらには致命的な心筋梗塞や脳梗塞などを起こしやすいことが分かっています。
メタボリックシンドロームの人は、糖尿病を発症するリスクは通常の7〜9倍。心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクは約3倍にもなるともいわれています。
メタボリックシンドロームの背景には肥満があるので、世界一の「肥満大国」でもある米国ではこの問題に対応するため、2001年にメタボリックシンドロームの診断基準を発表しました。日本においても2005年の4月に日本内科学会他8学会によりメタボリックシンドロームの診断基準が発表されました。
本診断基準では、必須項目となる内臓脂肪蓄積(内臓脂肪面積100平方cm以上)のマーカーとして、ウエスト周囲径が男性で85cm、女性で90cm以上を「要注意」とし、その中で
@血清脂質異常(トリグリセリド値150mg/dL以上、またはHDLコレステロール値40mg/dL未満)
A血圧高値(最高血圧130mmHg以上、または最低血圧85mmHg以上)
B高血糖(空腹時血糖値110mg/dL)
の3項目のうち2つ以上を有する場合をメタボリックシンドロームと診断する、と規定しています。
「メタボリックシンドローム」という概念が確立された目的は、動脈硬化による循環器病(心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など)をいかに予防するかということです。動脈硬化は、ある程度症状が進まないかぎり、なかなか症状として出にくい病気です。しかも、動脈硬化による循環器病は突然発症することが多く、生命に関わる重大な病気であり、後遺症も深刻です。メタボリックシンドロームを放置しておくと、やがては動脈硬化を引き起こします。動脈硬化にならないために、メタボリックシンドロームの段階でキチンと改善しておきましょう。
予防:運動と食事
運動は内臓脂肪を減らすのに一番有効な方法です。誰でも簡単に、毎日できる運動としてオススメなのは“ウォーキング”です。 厚生労働省の「健康日本21」によると、健康維持に最適な運動消費カロリーは1週間で2,000kcal、1日あたり約300kcalといわれています。体重60kgの人が時速4km(やや早歩き)のペースで、歩幅70cmで10分間歩く(700m、1000歩)ときの消費エネルギーは約30kcalになります。1日300kcalを消費するには、1日で1万歩を歩けばいいわけです。
内臓脂肪がたまりやすい食事は、高脂肪食(脂っこいもの)、高ショ糖食(甘いもの)、高カロリー食(カロリーが高いもの、食べ過ぎ)、低繊維食(緑黄色野菜の不足)です。また、濃い味付けは塩分を摂りすぎるだけでなく、食欲をそそり、食べ過ぎを招きます。百薬の長」とも呼ばれるアルコールですが、脂肪に変わりやすいのでとり過ぎは禁物です。また、おつまみには高カロリーのものが多いので、おつまみの品を工夫したり、食べ過ぎに注意しましょう。バランスの良い食事と腹八分目。これがメタボリックシンドロームにならない秘訣です。
この診断基準では内臓脂肪の指標としてウェスト周囲径が重視されています。最近当院の診察室で突然ウェスト周囲径を測定され、驚かれた方も多いかと思いますが、背景にこのような新しい考えがあったことをご理解ください。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
何をしてくれるの?
- 慢性疾患に対しては診療ガイドラインに沿った一般的な指導・治療を行います。うまく管理できないときは専門医紹介し、治療方針をたてています。
- 頻回に診させていただくことにより、重大な疾病の早期発見に努めます。
- 何でも気軽に相談できる雰囲気づくりに努めます。
- 守秘義務は守りますが、かかりつけ患者さんの情報をできるだけ把握する様努めます。
- 診療内容はわかりやすく説明しますが、その他に診療ノート(私のカルテ)を発行します。
- 急変時・救急受診が必要な際には当院に連絡下さい。搬送先への連絡・紹介状の用意を速やかに行います。24時間対応です。
- 他院受診が必要な場合は患者さんに最も適した病院を紹介します。紹介先確保のための情報収集はいつもしております。
かかりつけ患者になるには?
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
- 現在他の内科診療所に定期受診されていないこと(病院の専門科・専門科の診療所受診は除く)
- 他院受診のデータを当院で管理させて下さること
- 既往歴、家族歴などあらゆる情報を当院に教えていただけること(他に 職業歴・予防接種歴・生活パターン・家族構成・趣味・嗜好・服用薬・服用健康食品・受診病院・整骨院などの施設受診など)
- 主治医意見書を当院で作成すること
- 他の病院、診療所を受診される場合、当院の紹介状を持参してくださること
- 身体で何か異常が起こればまず当院に相談してくださること。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
◆編集後記
衆議院選挙も終わり、泉州地域は祭りモードになってきました。
9月になり、朝夕、少し肌寒く感じることもあります。夏の疲れが出やすい時です。体調には十分御留意ください。
次回は必ず10月号を出します!