2023年 9月 No.214
9月の後半に突入しています。
まだ日中は暑い日が続いています。
9月の後半にもなって熱中症に注意というのもなぁって思いますが、まだ注意は必要なようです。
気候がちょっと不安定で、晴れていたかと思うと、突然空が真っ黒になって大雨、という日が多かったようにも思います。
朝晩は少し暑さは和らいでおり、秋の気配を感じます。寒暖差が大きくなってくることが予想されます。体調管理には充分ご留意ください。
9月18日は敬老の日でした。
令和4年の男の平均寿命は 81.05年、女の平均寿命は87.09年となり前年と比較して男は0.42年、女は0.49年下回りました。
平均寿命が前年を下回るのは、令和3年に続き2年連続で、下回り幅は令和3年よりも拡大しています。
厚生労働省の分析では、平均寿命の前年との差を死因別に分解すると、男は悪性新生物<腫瘍>などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働いていますが、男女とも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、心疾患(高血圧性を除く。以下同じ)、老衰などの死亡率の変化が平均寿命を縮める方向に働いているとのことでした。
全国の100歳以上の高齢者が53年連続で過去最多を更新しました。
その数は全国であわせて9万2139人。去年から1600人以上の増加です。
国内では、100歳以上で仕事をしている人も増え続けています。
中にはギネス世界記録で世界最高齢の薬剤師として認定された人もいました。
新型コロナウィルスは第5類に引き下げられ、連日のニュースになるということはなくなりました。でもまだ散見されます。
マスクをしない人も多くなってきました。
しかし、まだコロナがなくなったわけではないのでご注意を。
医療機関ではマスクをしてもらい、発熱、下痢、感冒症状のある方は電話をしてから受診の指示を仰いでください。
症状のある人はコロナの検査は必要です。
出来る方はコロナの抗原検査を購入しておかれて、症状のあるときは自宅で検査することをお勧めします。
新型コロナの治療薬は現在、全額公費負担になっていて、患者に自己負担はありません。
しかし、厚生労働省は今年10月以降の対応について、一部を患者の負担とするものの、医療費の負担能力に応じた上限を設けることとする方針を決めました。
最も高い3割負担の人の場合で上限を9000円、低所得者など2割負担の人は6000円、1割負担の人は3000円とするとしています。
例えば、重症化予防効果のある最も高価な飲み薬「ラゲブリオ」の薬価は約9万円で、通常の3割負担だと2万7000円になりますが、患者の自己負担は上限額の9000円です。
新型コロナワクチンの接種が9月20日より始まっています。ワクチンの種類は、オミクロン株の派生型「XBB1.5」に対応するものに変更されました。
今後も流行するウイルスに合わせた新しいものに切り替わります。
コロナの感染症法上の扱いは2類から5類になりましたが、「特例臨時接種」として費用は無料です。
ただし、期間は2024年3月末までで、今回が最後の無料接種になる可能性もあります。
昨年末に始まったインフルエンザの流行が夏になっても続き、拡大しているとのこと。私はあまり実感していませんでした。
例年は冬に流行し春には収束しますが、シーズンをまたぐ異例の事態となっているそうです。新学期早々、各地で休校などが相次ぎました。
今後は患者数が例年より増える恐れもあり、専門家らは警戒を強めています。
インフルエンザ予防接種が10月2日から始まります。
10月2日(月)より予防接種開始いたします。
一般の方(13 歳以上) 接種費用:3,000 円
☆忠岡町在住 65 歳以上の方 接種費用:1,000 円
★当院かかりつけの忠岡町外在住 65 歳以上の方 接種費用:1,500 円
※新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは同時接種可能です。
厚生労働省では、毎年9月24日~30日を「結核予防週間」と定め、結核に関する正しい知識の普及啓発を図ることとしています。
結核は決して過去の病気ではありません。日本では1年間に1万人以上の人が結核に感染していて、1日平均28人が結核と診断されています。
2週間以上咳が2週間以上続くときは医療機関を受診してください。
神経系は、体の中の情報伝達のシステムの1つです(他に内分泌・ホルモン系等があります)。
神経系には中枢神経系と末梢神経系がありネットワークを形成しています。
中枢神経系とは、脳と脊髄のことで、全身から集まってくる情報を処理し、指令を発信しています。
心身の司令塔となる中枢神経はとても大切なため、脳は頭蓋骨、脊髄は脊柱によって守られています。
一方、末梢神経系は、中枢神経系と体の各部を網の目のように張りめぐらされて結び、機能としては、中枢神経系から発信された指令を伝えること、体の各部分からの情報を中枢神経系に伝えること、そして体温や血圧、内臓の機能を調整することなどがあります。
末梢神経はさらに「体性神経」と「自律神経」に分けられ、体性神経は、手や足などを動かす「運動神経」と触覚や視覚などを感じ取る「感覚神経」から成ります。
感覚神経が外部の情報を受け取り、運動神経が筋肉に指令を出して運動をさせます。
自律神経とは私たちの体にある末梢神経系の一部で、意思とは無関係にはたらき体内をベストの状態に保ち続ける神経の総称です。
ヒトの身体は体温や呼吸の維持、発汗や食べ物の消化など、生命の維持に必要なことを自律神経のはたらきによって行うことができているのです。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2種類から成り、両方とも各臓器・組織に分布し、互いにバランスを取りながら体の状態を整えています。
各臓器・組織に各々交感神経と副交感神経が分布しており、この臓器は交感神経しかきていませんとかこの組織は副交感神経だけですということはありません。
交感神経とは日中起きているときや緊張しているときに優位になる神経で、活発に動くことができるように体の状態を整えます。
車でいうとアクセルの働きをしています。
副交感神経とはリラックスしているときや寝ているときに優位になる神経で、交感神経と正反対のはたらきをしています。
車でいうとブレーキの役割をしています。
この2つの神経は電気のスイッチのようにどちらか一方にカチッと切り替わるわけではありません。バランスをとりながら、状況に応じてどちらか一方が優位になって勢力図を入れ替えしています。
各臓器の交感神経による作用、副交感神経による作用を図にしています。
一例をあげると、血圧は交感神経優位で上昇し、副交感神経優位で低下します。
ちょっと意外に思われるかかもしれませんが、食事をした後の消化は副交感神経優位で活発となり、交感神経優位で抑制されます。
交感神経は、人を活動モードに導くために、体を緊張・興奮させます。
一方副交感神経は人を休息モードに導くために体をリラックスさせる神経です。
交感神経の情報を伝えるのは主にノルアドレナリンです。
一方、副交感神経の情報を体中に伝える神経伝達物質はアセチルコリンです。
自律神経は体内時計と連動してバランスを変えます。
朝起きると交感神経の働きが少しずつ高まっていき、日中(12時前後)にピークを迎えると、副交感神経の働きが高まって急速モードに入っていきます。
そして睡眠中、朝が近づいてくると再び交感神経が優位になり、目覚めに備えます。
日中は交感神経優位、夕暮れ以降は副交感神経優位になるという大きなリズムはありますが、それ以外にも状況に応じて切り替わります。
例えば交感神経優位な日中でも、食事をすると副交感優位に切り替わります。
胃腸の消化吸収のための蠕動運動は、副交感神経が担っているためです。
食後に眠くなるのは副交感神経が優位になっていることが理由の一つです。
食後にいきなり激しい運動をすると、交感神経が優位になり、十分に消化吸収ができません。
食べたあとは座って安静にするのがいいのです。
ほかにも、緊張するシーンには交感神経を高めて集中力を上げるなど、自律神経は状況に合わせて切り替わり、体を適切なコンディションに調整してくれます。
ストレスなどが原因で、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れて正常に機能しなくなり、様々な症状が出ます。
これが自律神経失調症です。
自律神経失調症という病名は国際疾病分類ICDには記載されていません。
頭痛、めまい、などの症候名、パニック障害、などが病名としてあげられます。
自律神経失調症の原因として、不規則な生活、ストレス、更年期におけるホルモンの乱れ(更年期障害)、先天的要因などが挙げられます。
交感神経はストレスがあると自動的に反応する神経で、動悸、発汗などにつながります。
自律神経失調症は自律神経の乱れ(交感神経が強くなり、副交感神経が弱くなる)が原因と言われています。
全身的症状としてだるい、眠れない、疲れがとれないなど、器官的症状として頭痛、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなど多岐にわたります。
精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状が現れることもあります。
治療法として、ホルモン剤などによる対症療法や睡眠の周期を整える行動療法などがありますが、ストレスのコントロールと生活習慣の改善(規則的な睡眠と食事、運動)が最も大切なことです。
ただ、このような症状を示す方の中に、重大な疾患が潜んでいることがあることには注意が必要。
ある程度検査して、何も器質的病変が無ければ、ストレスによって自律神経が乱れてるのかな、と考えるようにしています。
自律神経は自分でコントロールできないものと書きました。
しかし、直接的なコントロールが無理でも、自律神経のバランスが整うように働きかける事は可能です。
ストレスがかかっているな、と感じたときはその対処が重要です。ストレスを全く無くすのは難しいので、上手に付き合う方法をとりましょう。
・何より、よく寝ること。自分なりのよく寝るためのルーティンをきめておいてください。
・作り笑いででもいいので、笑顔でいること。
鏡を見て口角をあげましょう。
・人目、人の自分への評価を気にしないこと。
気にしないのが難しければ、見なければいいのです。自分の価値観ををしっかり持っていれば、周りの意見に左右されたり、振り回されたりすることなく、ぶれずにいることができます。
・イライラしたときの対処を決めておくのもいいかも。
深呼吸する、水を飲む、空を見上げる、外に散歩に行くなど自分できめておかれたらいいと思います。何かしないといけないことが複数あって、混乱しているときは、箇条書きに紙に書きだすこともいい方法です。
その上で対応すべき優先順位などを決めておくといいでしょう。一つずつ片づけていくことです。
過度なストレスが良くないのはもちろんですが、全くストレスがない状態も自律神経を乱す原因になります。
副交感神経優位になりすぎ、いつも眠い、やる気がでない、欠陥が拡張しすぎて神経を圧迫するための頭痛、アレルギーなどが出やすいとされています。
適度なストレスとうまく付きあい、プラスに利用することで、自律神経の安定が図れます。
次に見直したいのが生活習慣。
生活リズムを規則正しくすることにより、自律神経の働きも整ってきます。
睡眠不足は交感神経を高める原因になります。
また、食生活の乱れにも注意が必要です。
食事の時間が不規則だったり、栄養バランスに偏りがあったとすると、自律神経のバランスの崩れやすくなります。
運動も効果的です。
緊張や怒りで交感神経が高まっているときは、ストレッチなどの軽い運動するだけでも血流が良くなり、肩こりなどの不調が改善されます。
逆に、やる気が出ない時は、姿勢をよくして手を大きく振って早足で歩くと、交感神経が適度に高まります。
ストレスの対処、生活習慣、適度な運動を心がけましょう。いずれも私たちが健康を守る上で欠かすことのできない基本です。
これらを見直すことが自律神経のバランスを整えることでつながっていくのです。
自律神経を整えて、快適な生活が送れるように努力しましょう。
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
予約なしの方の受付は午前診11:30 午後診19:30までとさせていただきます。
必ず受付時間までに受付をお済ませください。
発熱・咳・風邪症状などがある方は上記受付時間内に先にお電話ください。
10月7日土曜日、忠岡町の祭礼の日
休診させていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。