2021年 7月 No.188
梅雨もあけ、猛暑の夏がやってきました。
熱中症には注意が必要とのことで、今回はコロナ禍での熱中症対策を書きました。
あれだけ、本当にするの?、と言われてきたオリンピックが現在ほぼ無観客で始まっています。開会式は私はテレビでは見ていませんでしたが、56・4%の驚異的視聴率!2008年北京五輪の37・3%を大きく上回り、前回1964年東京五輪の61・2%に迫る驚異的な数字でした。
瞬間最高視聴率は61・0%に達したそうです。
国民の関心の高さがうかがえます。
今大会のピクトグラム・50種を実演したパフォーマーが話題となっていました。
ピクトグラムとは言葉を使わなくても情報を伝えられる、単純化された視覚記号のこと。
現代のピクトグラムの発祥は1964年、東京オリンピックの「施設シンボル」とされています。日本で活用が始まったんですね。
近代五種とフェンシングのピクトグラムを挙げておきます。
パントマイムの実際の映像が五輪公式SNSで見ましたが、見事なパフォーマンスでした。
ツィッターでも称賛の声が続出していました。
ネットで見られる方は一度ご覧になってください。
また、日本のメダルラッシュにも注目です。
私はニュースでしか五輪に接しておらず、ドキドキ・ハラハラ、は無いのですが、日本人選手団の活躍には注目しています。
兄妹が同日に金メダルを獲得した柔道の阿部一二三選手と詩選手には驚きました。
当然、個人の種目では初の快挙です。また、スケートボードのストリート部門、というのは初めて知る競技でした。
男子と女子両方で金メダル獲得。
特に女子の西矢椛選手は何と13歳。
中学2年生で、1992年バルセロナ大会競泳女子200メートル平泳ぎで優勝した岩崎恭子(14歳6日)を抜き、日本史上最年少メダリストとなりました。
すごくあどけない表情が印象的でした。
大阪・松原の選手だそうです。
これからも8月8日までオリンピックは続きます。日本人選手の活躍に期待したいです。
新型コロナウィルスは、徐々に感染者数を増やしてきています。
7月27日現在、非常事態宣言中の東京では7日間連続で1000人の感染者を記録しています。
医療の逼迫が懸念されるところです。
大阪でも感染者は増え、吉村知事は7月26日、既に感染の第5波に入っている。
感染状況は右肩上がりだ、とのコメントを出しました。
吉村知事は「感染の波が大きくなりつつある」と懸念。
今後の新規感染者数や病床の逼迫具合を見ながら、追加の感染対策が必要かどうか検討する考えを明らかにしました。
今後の医療情勢に注目していきます。
和泉保健所のお話を聞く機会がありました。
5月の連休前後は本当にコロナ患者の病床が足りず、大変だったようです。
コロナ患者が救急車に乗っても、受け入れ先の病院が決まらず、救急車内で一晩過ごしたり、結局入院先が見つからず自宅・施設にそのまま返されたりするケースが相次いだそうです。
また、入院が必要な中等症以上の患者も入院するベッドが無く、自宅療養を余儀なくされるケースが多かったとも。
4月・5月の院内報にも書きましたが、私も数件保健所からの依頼で、コロナ自宅療養患者の往診に行ってきました。
今は受け入れ病床に余裕がある状況だそうです。第5波が始まって、医療の崩壊が起きないように祈ってます。
早くコロナワクチン接種が進むように。
そのコロナワクチン接種ですが、高齢者への接種が順調に進み、基礎疾患のある方、から希望される若年者まで接種ができるようになっています。
しかし、報道でもありましたが、ワクチンの供給が滞っています。
忠岡町の集団接種は日曜日だけで、10月末まではワクチンが確保できるようで、予定されています。
泉大津は今まで平日も集団接種していましたが、ワクチン供給の関係で日曜だけになるとのことです
(まだ確定ではありません)。
新型コロナの影響で新しい生活様式が広まる中、夏にかけてより一層注意しなければならないのは熱中症です。
外出時マスクをしますが、マスクによって皮膚から熱が逃げにくくなり、熱中症のリスクが高まります。
また熱中症で亡くなる方は3年連続1000人を超えています。
中でも特に注意が必要なのは65歳以上の方です。
令和2年度の東京都23区の熱中症死亡者200人のうち、およそ9割の65歳以上の方が占めています。
そのおよそ9割が屋内で亡くなっていて、その多くはエアコンを使用していませんでした。
熱中症で亡くなるのは、エアコンを使用していない屋内にいる高齢者ということになります。
熱中症はガイドラインでは、「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」と定義されています。
高温環境において,体内での熱産生と熱放散のバランスが崩れて体温が上昇すること、大量の発汗による脱水と電解質の喪失が生じるなどが合わさった病態です。
熱中症には運動や労働によって発症する「労作性熱中症」と,高齢者や日常生活動作の低下した要介助者に発症する「非労作性熱中症」とがあります。
死亡例が多いのは非労作性熱中症の方です。
熱中症のリスクを高める原因は決して高い気温だけではありません。
熱中症に影響する気温・湿度・輻射熱の要素のうち、湿度の影響がおよそ7割と言われています。
湿度が高いと、汗を蒸発しにくく、体内に熱がこもりやすいからです。
令和3年(2021年)7月7日に掲載された政府広報オンライン・暮らしに役立つ情報に、熱中症は予防が大事!「3密」を避けながら、十分な対策をとりましょうという記事があり、この中で新しい生活様式の中での熱中症予防5つの心得が提案されています。順にご紹介します。
(1)暑さを避けましょう
感染症予防のため、換気扇や窓開放によって換気を確保しつつ、エアコンを昼夜を問わず使用してください。
温度設定はこまめに調整しましょう。
外出時は暑い日や暑い時間帯を避け、無理のない範囲で活動を。涼しい服装を心がけ、外に出る際は日傘や帽子を活用しましょう。
少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動し、水分を補給します。
(2)適宜マスクをはずしましょう
気温・湿度の高い中でマスクをすると熱中症のリスクが高くなるため注意が必要です。
屋外で人と十分な距離(2m以上)が確保できる場合は、マスクをはずしましょう。
マスクを着用しているときは、負荷のかかる作業や運動を避け、周囲の人との距離を十分にとったうえで、適宜マスクをはずして休憩をしてください。
マスクをつけたままでの激しい運動は避けて下さい。
(3)こまめに水分を補給しましょう
・のどが渇く前に、こまめに水分を補給します。水分補給の目安は1日あたり1.2リットル)。500ミリリットルのペットボトルで2.5本分、コップで約6杯分の量にあたります。
汗をかいたときは、スポーツドリンクや塩飴などで水分とともに塩分も補給してください。
高血圧で塩分を制限されている人も、汗をかいたら、塩分捕球してください。
(4)日ごろから健康管理をしましょう
日ごろから体温測定や健康チェックをしましょう。
熱中症の発生には、その日の体調が影響します。前の晩に深酒をしたり、朝食を抜いたりした状態で暑い環境に行くのは避けましょう。
体調が悪いと感じたときは、無理せず自宅で静養を。
(5)暑さに備えた体づくりをする
暑くなり始めの時期から、適度に運動を。
汗をかきやすい身体にしておくことが大事です。
「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度行い、身体が暑さに慣れるようにしましょう。
水分補給は忘れずに。
「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」などを参考に、熱中症への十分な対策を環境省では熱中症を未然に防止するため、 環境省熱中症予防情報サイトにおいて、熱中症へのかかりやすさを示す「暑さ指数(WBGT)」の情報提供を行っています。
暑さ指数とは、気温だけでなく、湿度、日射などからの熱についても取り入れた指標で、労働環境や運動環境の指針としてISOなどで規格化されているものです。同サイトにおいては、全国約840地点において、当日、翌日、翌々日の3時間毎の暑さ指数の予報値及び現在の暑さ指数の値を情報提供しており、その値によって、「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」「ほぼ安全」という5段階に分けることで、熱中症の注意喚起を行っています。
これらの情報も活用し、暑さから身を守りましょう。さらに、同サイトの暑さ指数の情報を、民間のメール配信サービス(無料)でお知らせしていますのでご活用ください。
詳細な情報については環境省「熱中症予防情報サイト」別ウインドウで開きますでも紹介しています。
熱中症警戒アラート
さらに、環境省と気象庁では、暑さ指数(WBGT)に基づき、熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に、暑さへの「気づき」を呼びかけ国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート」について、令和3年4月28日(水)から全国で運用を開始しました。
暑さ指数(WBGT)の計算方法
0.7x湿球温度+0.2x黒球温度+0.1x乾球温度湿度を示す「湿球温度」は湿らせたガーゼで覆った温度計で、輻射熱を示す「黒球温度」は黒い球状の銅の中の温度計で測定します。
気温を示す「乾球温度」は通常の温度計が示す温度です。
暑さ指数の予測値が都道府県内のどこかで33以上になる場合に、前日17時頃及び当日5時に対象都道府県等に対して気象庁と環境省より発表されます。
熱中症警戒アラートが発表されている日には、外出を控える、エアコンを使用する等の、適切な熱中症予防行動を積極的にとりましょう。
熱中症が疑われる人を見かけたときは すぐに風通しのいい日陰やクーラーなどが効いている室内など涼しい場所へ移し ます。衣服をゆるめたり、体に水をかけたり、またぬれタオルをあてて扇いだりするなどして、体から熱を放散させ冷やします。
熱中症の重症度。
Ⅰ度(軽症)からⅢ度(重症)に分けられています。
Ⅰ度:めまい、立ちくらみ、筋肉の硬直(こむらがえり)、大量の発汗などの症状があるが、意識障害を認めない状態。
直ちに涼しい環境へ移動させ安静にする、 扇風機やエアコン、屋外では風通しのよい場所で体表から冷却しながら、経口的に水 分と塩分(経口補水液)を摂取する、以上の処置で症状が改善すれば医療機関へ の受診は必ずしも必要ではない、
Ⅱ度:Ⅰ度の症状に加え、頭痛、嘔吐、虚脱感があり、集中力や判断力が低下し た状態。
Ⅰ度と同様の応急処置を行いながら医療機関へ搬送します。
経口摂取が 困難な場合は医療機関で冷却した輸液を行います。
Ⅲ度:意識障害やけいれんを認める場合、血液検査で肝・腎障害や血液凝固異常 (DIC)所見を認める場合。積極的に冷却処置を行う、冷却方法は体表からの冷却のほか、冷却輸液の投与、血管内カテーテルによる深部冷却がある。
Ⅲ度熱中症により生じる臓器障害に対しては今のところ確立された治療法はなく 対症療法に留まる、熱中症は急速に症状が進行し、重症化しますので、軽症の段階で早めに異常に気づき、応急処置をすることが重要です。
やはり熱中症は予防が一番。暑さを避け、エアコンの積極的使用。マスクはリスクを考えながら、はずす。休養を十分にとって体調は万全に。そして軽い運動で、 汗をかきやすい身体にしておく、など今回提唱された予防策を実施してください。
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
当院の夏季休暇は8月15日から8月18日までです。
8月19日より通常の診療を致します。
かかりつけの方の薬が休暇中に無くならないように、当方も気をつけますがご自身でも確認するようにしてください。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。