若葉のいい季節になってきました。
暖かい季節になってきましたので運動をしましょう。まずは意識して少しの距離を歩くことから始めてはいかがでしょうか。
今月号の医療系のトピックでは科学的なダイエットを取り上げました。
新聞や雑誌などでもメタボリック症候群という言葉をよく見るようになりました。メタボな人という表現もあるようで…。
急に無理な運動をすることは、別の問題を引き起こしますのでお勧めできませんが、筋肉の量を増やすことは大切です。
体を動かして筋肉の量を増やしましょう。
麻疹の流行
ご存知の方も多いと思いますが、麻しん(はしか)が関東地方全域で流行しています。
大学や高校など年長者の患者が多いのが特徴ですが、数千人の学生を対象にワクチンの緊急接種を行なった大学や、対外試合も含めたすべての活動を中止した都立高校などが報告されています。大阪府においても、すでに堺市や東大阪市などで複数の患者が発生しています。5月11日には狭山市内では集団感染が報告されています。
ここ泉州地域では数年間麻しんの発生はありませんでしたが、今はいつ患者が出てもおかしくない状況です。
「はしかくらいで大げさな」と感じられる方もおられるかもしれませんが、あなどると大変なことになってしまいます。麻しんは空気感染し、免疫のない人はほぼ100%かかってしまいます。
治療法はなく、日本でも1000人に1人は死亡します。30歳未満で、麻しんにかかったことや予防接種を受けたかどうかはっきりしていないという方は、直ちに抗体検査をするか予防接種を受けることをお勧めします。
麻疹患者と接触した場合、3日以内に予防接種を受けると発症・重症化を予防できるとされております。
公費接種対象外の方は任意での自費診療となり、4000円かかります。また、MRワクチン(麻疹風疹2種混合ワクチン)は、7000円かかります。
恥ずかしながら私は小児科の経験に乏しく、実際の患者さんは診察した事がありません。流涙・鼻水・めやになどのカタル症状が強く、発疹が出る前に口腔内に粘膜疹が出る、全身に発疹がでることは知識として知っておりますので、典型的な病状の方はわかると思いますが、過去に予防接種を受けたことのある方は発疹など典型的な症状がでないことがありますので、診断できない可能性があります。そのときは血液検査でIgM麻疹抗体を調べさせていただくことになり、麻疹疑いとして外部との接触を避けていただくことになると思います。
小児の方はできるだけ小児科の受診をお勧めしますが、当院に受診される場合は麻疹患者との接触があったかどうかは事前にお知らせいただければ、と思います。
また、待合は少し狭いところで窮屈ですが、他の患者と接触しないようにしますので、ご協力のほどよろしくお願いします。
◆特集:科学的ダイエット
メタボリック症候群の内臓脂肪が多い人はいろんな病気を併発しやすいことが世間にも知れ渡ってきました。当院でも診療手帳に体重や運動について書くことも多くなっています。
実際体重を減らすことでコレステロールや中性脂肪、血糖値、血圧などの数値は改善されることが多いです。でも、体重を減らすなんて無理、どうしたら減るのかわからない、という声もよく聞きます。今回はダイエットについて考えてみます。
ブームになったダイエット法の多くは科学的根拠のないものでした。
特定の食品だけでなく、炭水化物・蛋白質・脂質の三大栄養素をバランスよく摂ることが大事です。
その意味では糖尿病の方が入院したときに病院から出るカロリーの計算された糖尿病食が最もよいダイエットの食事と考えられます。また減量は1ヶ月に2sが最良のペースです。
ダイエットを考える上でカロリーはやはり避けて通れません。カロリーとは熱量を表すエネルギーの単位で、1リットルの水の温度を1度上昇させるのに必要な熱量が1kcalです。人間の体の活動もこのカロリーで表されます。
ダイエットではまず摂取カロリーと消費カロリーを考えます。
摂取カロリーとは食事などによって、体内に入ってくるエネルギーのことですが、人間の場合食物の中でカロリーを持つのは、「炭水化物」「たんぱく質」「脂肪」の3つだけ。それぞれのカロリーは1グラムあたり、「炭水化物」と「たんぱく質」は4Kcal、「脂肪」は9Kcal。これらの栄養素が体の中で、ビタミンやミネラルの助けを借りてエネルギーに変わり、私たちの活動の原動力となります。
消費カロリーとは、基礎代謝や運動等により消費されるエネルギーの事です。
標準的な成人男子の一日の消費カロリーは1800〜2000kcal前後。このうち寝ているだけでも消費されるカロリーを基礎代謝といい、60〜70%を占め、残りの30〜40%が仕事をしたり、歩いたりする日常生活で消費されます。
食べ物によって体内に入る摂取カロリーと消費カロリーが同じであれば、体重は維持されます。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、その分が脂肪として体に蓄積されます。その逆だと、蓄積された体脂肪が減ることになります。これが基本原則です。
ちなみに体脂肪1kgを減らすのに必要なカロリーは7000kcalといわれています。1ヶ月で2kgやせようと思うのなら、14000kcalを30日で割って、1日あたり467kcal消費カロリーが摂取カロリーを上回る必要があるわけです。2kg体重を落とすだけでも、血液検査の数値はかなり改善されます。但し、正しいダイエットをしないといけません。単品ダイエットは病気を呼びます。
3食しっかりバランスのよい食事が基本です。また、摂取カロリーを抑えるだけでは脂肪と一緒に筋肉も落ちていきますのでダメです。筋肉を増やす作業、運動が同時に必要になります。具体的には1600〜1800kcalの糖尿病食を食べて、消費カロリーをあげるべく300kcal相当の運動をするのが理想的なダイエットです。
まず自分の今の状況を考えます。
メタボになっていないかどうか。身長・体重・腹囲・BMI・血糖・血圧・コレステロール・中性脂肪など。
標準体重は身長(m)×身長(m)×22で算出されます。BMIは体重÷身長(m)÷身長(m)で、19〜24までが正常範囲です。
BMIが25以上、メタボリック症候群に相当する方はダイエットを考えましょう。ダイエット中は毎日決まった時間に体重を測るようにしましょう。
自分の消費カロリーを知る
標準体重に生活の運動強度により2.5(低労働)から3.0(肉体労働)をかけたものが適正エネルギー消費量です(表参照)。
摂取カロリーを計算する
概算で結構ですので、自分の食べているものが何kcal程度なのかを知っておく必要があります。
個々の食品のカロリーを列挙することはここでは不可能ですが、ご飯一膳(150g)が約250kcalです。
糖尿病の食品交換表は食品のカロリーを知る上でも参考になります。待合に置いておきますので参照ください。
今はインターネットでもカロリー計算サイトが多数あり、私もよくみています。検索サイトでカロリー計算と入力するとでてきます。
食事の工夫
やはり油をあまり使わない和食中心がいいようです。塩分と油を控えるだけで大分カロリーは抑えられます。
3食、1回500kcal目安でとる。夜はあまり食べないようにする。
その上で運動です。運動はダイエットに必須です。有酸素運動であるジョギング・早足ウォーキングがお勧めです。
ちなみに大またで力強く歩く速歩なら一時間で300kcal消費されます。筋肉を増やしながら、体脂肪を燃焼すれば基礎代謝は上がりますので、見た目は細いのに、実は太っている「隠れ肥満」も予防できます。
最近の話題
アメリカ循環器学会からダイエットの指針がだされています。それによると良質の油をとること(トランス脂肪酸をとらない)、運動することが大事だそうです。
また爪を送れば肥満遺伝子分析をしてくれる会社があります。遺伝子分析は12600円と高価ですが、一度試してみます。今後はこのようなテーラーメイド医療が出てくるものと予想されます。
◆かかりつけ患者さん募集中
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
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