2015年 11月 No.120
もう11月になってしまいました。
毎年思うことですが、 月日のたつのは早い。今年も残すところあと2カ月。年賀はがき、来年のカレンダー購入しました。
町はクリスマスムードです。USJやハルカス、グランフロントなどきらびやかなクリスマス装飾がテレビで流れています。泉大津の駅前も綺麗にクリスマス装飾されてますね。
寒暖の差がまだ激しいので、体調には十分注意して年末年始を迎えるようにしてください。冬を迎え段々寒くなります。
インフルエンザ・風邪予防の対策をしてください。
一番は手洗い、マスク。次にうがいです。人込みをさけることも大切です。身体は保温につとめてください。
1回3000円、2回目は2500円、
忠岡町在住の65歳以上の方は1000円です。
インフルエンザワクチンは打てば必ず発症がおさえられるというワクチンではありません。その役割はかかりにくくすることと、かかっても免疫があるために重症化しないこと、です。ワクチン接種により死亡者や重症者を減らすことが期待されています。ワクチンの予防効果持続期間はおよそ5カ月と推定されています。
私事ですが、事故に遭ったのが平成25年の11月11日でしたで、もう2年たつことになります。事故後一ヶ月は松葉杖生活だったなと思い出すこともあります。
足の手術後はプレートはまだ入っており、運動時に多少の違和感はありますが、激痛といったものはなく、10km程度のランニングは可能です。今年の泉州マラソンは29㎞で右下腿(手術したのと反対側)の肉離れのため、棄権してしまいました。もうフルマラソンは無理かな、と思っていますが。懲りずにまた泉州マラソンにエントリーしてしまいました。あまり長距離の練習をしていないので、ちょっと不安があります。まだ時間があるので、少しずつ調整していきたいと思っています。
iPS細胞などを使った再生医療の臨床研究で、厚生労働省は、移植する細胞の安全性の評価基準を作ることを決めました。
iPS細胞は医療への応用が期待されていますが、これまで安全性の判断などに基準ありませんでした。
11月18日に開かれた部会で研究班が設置されました。
iPS細胞は、血液や皮膚の細胞に外部から遺伝子を入れて作る細胞で、細胞にもともと遺伝子変異があったり、作製の途中で変異が起きたりする可能性があります。
遺伝子変異は移植後に腫瘍やがんにつながる危険性があるが、どんな変異が影響するかについて科学的なデータが乏しく、安全性を評価する明確な基準はありませんでした。
理化学研究所のグループは昨年9月、iPS細胞から作った網膜組織を移植する世界初の手術を実施しました。術後は良好な経過をたどっています。しかし、2例目の患者では用いる組織の細胞に遺伝子変異が見つかり、移植を見送ったそうです。理研は10月に、網膜組織は腫瘍になりにくく、動物実験で異常はなかったなどとし、「移植に使っても全く問題ないと考えているが、安全性にいろいろな考え方があり、混乱している」と会見で話されています。
このような経緯を経て安全基準が作成されるようです。国が安全基準を示すことで、iPS細胞の臨床研究が加速されることを期待しています。
当院でも、高血圧の方に尿検査で塩分摂取量を測定しています。日本人の平均的な塩分摂取量は12g。昨年、12gは最も死亡率の低い理想的な量だとカナダの研究者が発表しました。
世界18カ国の、30~70歳までの男女10万1945人を対象に、1日の塩分摂取量と過去3.7年間における死亡率の統計を採ったデータがあります。
これを見ると、最も死亡率が低いのは1日あたりの塩分摂取量が12gで、1日5gの場合だと死亡率は80%も上昇することが明らかになっているのです。5gというのはWHO(世界保健機関)が推奨する1日の塩分摂取量なのですが、じつはこれが決して健康的ではないことが判明したかたちですね。このデータにはWHOもびっくりしていることと思います。私も驚きました。体のことを第一に考えるなら、塩分の摂りすぎとともに、減塩のしすぎにも気をつけなければならないことになります。
この発表を受けて、推奨塩分摂取量はどうなるのでしょうか?学会の対応を待ちたいと思います。新しい基準が出るまでは、当院では血圧の高い方には、一日6g以下をおすすめしていきたいと思います。ラーメン1杯をスープまで残さず飲めば、それだけで5~6gの塩分量に達します。
外食中心の生活を送っている人は、12gなんてあっという間に超えてしまうので注意が必要です。
塩分を摂りすぎたと感じた日は、運動で汗を流して調整するのがおすすめだそうです。
12月29日 ~ 1月4日まで休診致します。
年始は1月5日からです。1月5日より通常診療致します。
今年も、休みが少し長めになっています。御迷惑をおかけし申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
肝炎とは、肝臓の細胞に炎症が起こり、肝細胞が壊される病態です。
その原因には、ウイルス、アルコール、自己免疫等があります。
日本においては、ウィルス性肝炎が多くをしめています。
肝炎ウイルスにはA型、B型、C型、D型、E型などがありますが、中でもB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルス感染による肝炎がその多くを占めています。
今回はこのうち、C型肝炎とその新しい治療についてお話します。
C型肝炎ウイルスは主に血液によって感染し、慢性肝炎、肝硬変、肝がんの大きな原因となります。
30年前まではC型肝炎ウィルスの存在が知られておらす、私も学生の頃は非A非B型肝炎として習いました。
輸血、注射針の回し打ち、入れ墨などで感染された方が多いようです。
1992(平成4)年以降は輸血によるC型肝炎ウィルスの感染はありません。
日本の感染者は100万人~150万人(100人に1~2人の割合)と推定されています。
C型肝炎ウイルスに感染すると約70%の方が慢性肝炎を発症します。
その後、およそ20年で約30~40%の人が肝硬変となります。
C型肝硬変はウイルスによって壊された肝臓の細胞が線維成分に置き換わり、肝臓が硬くなった状態です。
肝硬変のうち正常な部分によって肝臓の働きがある程度保たれている状態を代償性肝硬変といい、さらに病気が進み、必要な肝臓の働きが失われた状態を非代償性肝硬変といいます。
肝硬変の方のうち年率約7%の方が肝がんへと進行します。
わが国の肝がん患者の70%はC型肝炎ウイルス感染者であり、年間3万人の方が肝がんにより亡くなっています。
自覚症状がないことも多く、感染していることを知らない方や知っていても医療機関に受診されていない方が多いのが現状です。
C型肝炎ウイルス感染を調べるには血液検査が必要です
肝機能に異常が続く場合、C型慢性肝炎を疑って、血液検査でHCV抗体をまず検査します。
HCV抗体が陽性であれば、HCV遺伝子(HCV-RNA)を調べる検査をします。
HCV抗体陽性でHCV-RNAが陰性の場合、過去に治療したことか、自然にウィルスが排除された状態と考えられます。
C型肝炎ウィルスに感染していても自覚症状のない方がおられます。
40歳以上の方は、市町村が実施している健康増進事業における肝炎ウイルス検診を受けましょう。
C型肝炎の治療目標は、C型肝炎ウイルスを排除し、肝硬変への進展、肝がんの併発を阻止することです。
血液検査でHCV遺伝子が陽性だった方は治療が必要かどうかを検討します。
次にHCVの遺伝子タイプを調べます。
1型と2型があります。
以前はジェノタイプ1a、1b、2a、2bまで詳しく調べていたのですが、この検査は保険がききませんでした。
今は保険のきくセロタイプ検査で1型か2型なのか、だけ検査します。
同時に血液検査で肝臓の状態を調べます。Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類が使われます。
腹水、肝性脳症の有無、アルブミン、黄疸を示すビリルビン、止血機能の指標のプロトロンビン時間でいい順にA,B,Cを判定します。
次に腹部超音波検査かCT検査で、肝臓の状態(慢性肝炎か肝硬変か、肝癌が無いか)を調べます。
この検査で肝機能がChild A(良好)で、肝癌のない方が治療対象になります。
ウィルスを排除する治療は、今でも使用されますががインターフェロンが主流でした。
体内の免疫力を高めてウイルスの活動を鎮静化させる注射剤です。
しかし、インターフェロンは日本で多い1b型に効果が悪く、副作用が強いという側面がありました。
抗ウィルス薬リバビリン(レベトール、コペガス)と併用することにより治療効果が高まる、とされています。
Direct Acting Antiviralsの略です。
直接ウイルスが増えるのを防ぐ薬でC型肝炎の抗ウイルス治療では、インターフェロン、リバビリンと併用して、使用されてきました。
DAAの詳しい説明、歴史については省略しますが、近年画期的なDAAが開発されました。
ハーボニーとソバルディです。
ジェノタイプ1型についてはハーボニー、
ジェノタイプ2型にはソバルディとリバビリンの一日一回、12週間服用治療が行われます。
臨床治験ではハーボニーは100%、ソバルディ+リバビリンでは97%でC型肝炎ウィルスの消失(SVR)が達成されました。
これを受け、いずれも保険適用がなされています。
ただ、ハーボニーは一錠8万円、ソバルディも一錠6万円の高額な薬です。
単純計算でも、三割負担で3か月で200万円以上の窓口での支払が必要となります。
なので、高額医療の対象になっています。
保健所に行って、C型肝炎の治療をすることを申請すると、肝臓学会専門医の診断が必要ですが、認可されると、月額2万円の負担で治療が受けられます。
貧血、などの副作用はありますが、ほとんどの例で12週の治療が可能でした。
今まで、あまり積極的にインターフェロン注射を勧めてきませんでしたが、この治療はお勧めできると思います。
今後の当院の対応
肝機能異常のある方は、HCV抗体検査をします。自覚症状のない方、肝機能異常のない方は市町村での検査をお願いします。
当院での自費での検査も可能です。
HCV抗体陽性でしたら、HCV-RNA検査をします。これで陽性と出た場合、C型肝炎のセロタイプ検査、Child分類のための血液検査をします。さらに腹部超音波検査かCT検査をします。ChildAで、肝癌が無い場合、保健所に行って、肝炎治療受給者認定申請をします。
専門医を受診して(紹介します)、診断書を作成して頂きます。
認可が下りたら、そのまま専門医での治療(薬の処方)を受けられてもいいし、ご希望があれば当院で、1型でしたら、ハーボニー、2型でしたらソバルディとリバビリンの処方をすることも可能です。
治療中は副作用に注意して、血液検査などを行います。
尚、インターフェロンの治療歴のある方は専門医での治療をお勧めします。
治療終了後、HCV-RNA検査で治療効果判定をします。
DAAによるウィルス排除後、肝癌への進展が完全に抑えられるかどうかはまだわかっていません。
今のところウィルス消失後も定期的な肝癌の検査は必要と思います。
画期的な治療ですので、C型肝炎と診断された方は是非ご検討ください。
詳細については、相談してください。
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
年始は1月5日からです。
1月5日より通常診療致します。
今年も、休みが少し長めになっています。
予約診察がこの期間にあたる方は診療予約、薬の処方日数など変更させていただきます。
こちらも気をつけますが、定期薬服用中の方は休み中に薬が無くなるということのないようお願いします。
御迷惑をおかけし申し訳ございませんが、よろしくお願いします。