新緑香る5月となりました。
とても過ごしやすくなってきています。
とはいえ、もうすぐ梅雨入りの時期となります。
熱中症にもそろそろ注意が必要。
体調管理には十分ご留意を。
スギ花粉の根本治療となる舌下免疫療法、6月より処方開始予定です。
対象はスギ花粉アレルギーの方。
アレルゲン検査でスギ花粉陽性であること方です。
アレルゲン検査は必須ですので、以前の検査結果を見せていただきます。
他院で検査した結果でもかまいません。
スギだけにしか効果がないので、一番いいのはスギだけアレルゲン陽性の方です。
しかし、スギ以外にも陽性反応がでる方でも、スギの免疫舌下療法で、症状が軽くなることが期待されています。また、ご相談ください。
初回治療は院内で行うことになっています。
今回の院内報は、連休後に書いています。
5月10日の報道で、エボラ出血熱が終息したというニュースが出ていました。
正直、エボラのニュースがあまりないので忘れていました。
リベリア、エボラ熱終息 大規模流行3カ国で初【モンロビア共同】世界保健機関(WHO)は9日、西アフリカのリベリアでのエボラ出血熱の流行が終息したと宣言。
最後に感染者がいなくなってから、WHOが定めた最長潜伏期間の2倍に当たる42日が経過した。
大規模な流行が起き計1万1千人以上が死亡した西アフリカの3カ国で、終息宣言が出るのは初めて。
首都モンロビアで開かれた会議で、WHOの現地代表者が「リベリアでのエボラ熱の流行は終わった」と発表し、「非常に大きな価値のある成果だ」と称賛した。
会議に出席したリベリアのサーリーフ大統領は「(支援の訴えに対し国際社会が)期待以上に応えてくれた」と謝意を示した。
新規感染をとめるためには、症例の隔離、接触者の観察(発症したらすぐ隔離)という基本をひたすらやることなのですが、リベリアは米国が中心となってその対策がすすみました。
しかし、「その後」問題も忘れてはいけません。
エボラの流行時、学校が休校になったり、従来の乳幼児の予防接種プログラムや母子保健プログラムが止まったり脆弱になりました。
この結果、リベリアでは現在麻疹が流行し始めているとのことです。まだ、注意が必要ということなのですね。
住民健診は今年は5月18日より開始されます。
今年は特定健診の自己負担費用はありません。昨年泉大津は無料化しましたが、一年遅れで追従した形です。
忠岡町在住の方、是非健診受けて下さい。
特定健診はメタボにフォーカスをあてた健診です。
胸部レントゲンを健診項目にいれて頂くよう医師会から行政にはお願いしていることろですが、今年も特定健診項目にははいりませんでした。
肺癌検診として、町に申請して検査して頂くことになります。当院かかりつけの方については、できれば年一回くらいは何かの機会に胸部レントゲンは検査していきたいと考えています。特に喫煙者の方。
更にいうと、肺癌検診はもうレントゲンより胸部CTでする方がいいと思っています。
胸部CTですと、完治可能な小さい肺癌を発見することができます。
喫煙者、周囲に喫煙者がいる人、特定の作業に従事する方には、お勧めしたいと思っています。
禁煙治療もしていますので、御希望の方はお申し出ください。
今月の健康情報は男性だけが対象になりますが、前立腺肥大を取り上げました。
結構、症状のある人が多い印象です。
前立腺肥大症とは、文字通り前立腺が肥大して、様々な排尿の症状を引き起こす病気です。
前立腺は男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っています。
前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。
前立腺の大きさは、一般的な成人男性での前立腺の大きさは、体積で表した場合には20ml以下と言われています。よく、「クルミぐらい大きさ」と例えられます。
ところが、前立腺が肥大すると、クルミ程度の大きさのものが、卵やみかんの大きさになります。
前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わるいろいろな症状が出現します。
前立腺が肥大する原因はまだわかっていませんが、男性ホルモンなどの性ホルモン環境の変化が関与すると言われています。
前立腺肥大症を発症する明らかな危険因子は加齢ですが、その他に遺伝的要因、食生活、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などがあげられます。
前立腺肥大症の頻度は、年齢とともに高くなり、50歳からより増加します。
組織学的な前立腺肥大は、30歳代から始まり、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳では90%に見られますが、そのすべての方が治療を必要とする症状を伴うわけではありません。
前立腺の肥大と排尿症状を伴い、治療を必要とする、いわゆる前立腺肥大症の頻度は、その1/4程度と言われています。
前立腺肥大の症状は排尿時の障害です。頻尿、排尿困難、残尿感などです。
頻尿は日中8回以上、夜間一回以上、排尿があるもの排尿困難は「尿の勢いが弱い」、「尿が出始めるまでに時間がかかる(尿を出したくでもなかなか出ない)」、「尿が分かれる(尿線が分かれて出る)」、「排尿の途中で尿が途切れる」、「尿をするときに力まなければならない」などの症状の総称です。
残尿感は排尿後、何か尿が残っているような感じがあるもの。
以上の何かの症状があれば、前立腺肥大の可能性があります。
前立腺肥大症が疑われる患者さんには当院では以下のステップに従って、診断を行います。
問診で前立腺肥大が疑われる場合は、国際前立腺症状スコア(I-PSS)、QOLスコアによる症状評価を行い、重症度を評価します。
検尿時に、残尿測定します。
終了後、
排尿日誌記録。
100円均一ショップでも売られている、500tの計量カップを購入してもらって、トイレに置いておき、一回の排尿ごとに尿量を測定。
時間と尿量を排尿日誌に記録していただきます。
用紙は当院にありますので、お渡しします。
後日、排尿日誌、血液検査で腎機能、PSAの結果をみて、前立腺の超音波検査、前立腺MRI,泌尿器科受診を考えます。
前立腺肥大が進むと、血尿、尿閉(尿がでなくなること)、尿路感染を繰り返す、前立腺が尿道を圧迫して、腎臓から膀胱への尿の流れが妨げられ、腎臓が腫れる状態(水腎症)となり、腎不全になることがあります。
残尿が多くなると、いつも尿が漏れる状態になることもあります。
このような症状がある場合は手術を考えないといけませんので、泌尿器科に受診していただいてます。
前立腺肥大が尿の通過障害を引き起こす理由として、2つのメカニズムが考えられます。
ひとつは、前立腺の平滑筋に対する交感神経の緊張が亢進して、前立腺(平滑筋)が収縮して、尿道を圧迫することによります。
もうひとつは、前立腺の収縮とは関係なく、大きくなった前立腺が物理的に尿道を圧迫して、通りを悪くすることによります。
こういったことから、2種類の薬剤が広く用いられています。
α1遮断薬は、前立腺平滑筋にある交感神経受容体(交感神経α1受容体)を遮断することにより、前立腺平滑筋を弛緩し(緩め)、尿道の圧迫を解除して、尿が通りやすくします。もっとも広く使われている薬です。タムスロシンという薬です。
先発薬品はハルナールという商品名です。
もうひとつの薬は、前立腺の肥大に影響する男性ホルモン(テストステロン)のはたらきを弱め、前立腺細胞の増殖をおさえ、前立腺を小さくするお薬です。
服用しはじめてから効果があらわれるまでに数か月かかり、服用を中止するとホルモンの作用が復活して、再び肥大してしまいます。
副作用として性欲の衰え、肝機能障害などがあります。
PSA値を下げる作用があるので、前立腺がんの発見が遅れることがないよう注意をする必要があります。
アボルブという薬剤名です。
両方の薬を併用する場合もあります。過活動膀胱(尿意切迫、切迫性尿失禁が主な症状)が合併している場合は抗コリン剤という薬を併用することもあります。
薬の服用によっても症状が改善しない場合、また、感染、尿閉、腎不全、溢尿などの合併症がおこる場合は手術が考慮されます。
手術には内視鏡で前立腺を削る手術(TURP・経尿道的前立腺切除術)、開腹して、前立腺を摘出する手術、狭くなっている尿道にステントを入れる手術、レーザーを使用して前立腺を切除する手術、などがあります。
前立腺肥大症による排尿障害は、初期の段階であれば、多くの場合は薬だけで治療ができます。
病状が進行してからでは手術が必要になることもあります。何より、前立腺がんでないか、検査しておく必要があります。
症状があらわれたら自己判断せずに、相談してください。
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
お知らせ
水曜日、夜診、正式に休診として、保健所に届けて受理されました。
まだ診察券とか、HPとか、看板には不備がありますが、徐々に変更していきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。