◆ニューズレター発刊にあたり
十数年間の病院勤務の後、この地で継承開業させていただいてから4年余りが経ちました。当初はとまどうことも多かったのですが、患者さんやスタッフに助けられてここまでなんとか大きな間違いをすることも無く現在にいたっていることを感謝しています。開院後2年目には電子カルテを導入して、当院での診療内容、検査結果をすべてPC上で参照できるようにしました。また昨年の5月には院内改修工事を行い、7月には患者さんの満足度の向上、継続的な業務改善を目的としてISO9001:2000の認証を取得しました。ようやくこれでシステムが整ったかな、などと考えています。
以前からずっと診療所として地域の皆様方に情報発信をしたいと考えていました。ホームページなどもつくったのですが、なかなか更新できないままでした。患者さん(やご家族)に少しでも多くのことをお伝えしたいと、これまで、診療手帳なるものを作って、本日の診察の説明などを記載していましたが、この度もう少し充実し体裁を整え「院内報」という形にする運びになりました。日常の診療場面での説明を補うものとして、病気の説明や様々な症状への対応の仕方、よくお尋ねになられる質問へのお答えなどを、順次紹介していく予定です。また、今後は医療情報だけでなく、休診のご案内をはじめ医院としてお伝えしたいこと、雑談や季節の話題なども織り交ぜていきながら、楽しく、且つ役に立つ紙面を作っていけたらいいなと思っています。これもまた初めての試みですので、いきなりいい紙面は作れないかもしれません。しかし、試行錯誤を繰り返しながら、あまり気負わずぼちぼちいいものを作っていきたいと考えております。月一度の発行を予定しています。
投稿・感想など大歓迎です。よろしくお願いします。
本号が創刊準備号になりますので、もちろん名前などついておりません。そこでみなさまに、すてきな名前をつけていただきたいと思います。応募いただいた方には抽選でこころばかりのお礼も用意しております。すてきな名前を考えて、院内に設置してありますボックスに入れてください。
◆タイトルを募集いたします
まだ名前のない院内報。皆様にすてきな名前を考えていただこうということになりました。すてきな名前を考えて、院内に設置してありますボックスに入れてください。応募いただいた方の中から抽選でこころばかりのお礼を用意しております。
◆特集 かかりつけ患者さん募集
最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。
「かかりつけ患者」ってなに?
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のことです。
何をしてくれるの?
- 慢性疾患に対しては診療ガイドラインに沿った一般的な指導・治療を行います。うまく管理できないときは専門医紹介し、治療方針をたてています。
- 頻回に診させていただくことにより、重大な疾病の早期発見に努めます。
- 何でも気軽に相談できる雰囲気づくりに努めます。
- 守秘義務は守りますが、かかりつけ患者さんの情報をできるだけ把握する様努めます。
- 診療内容はわかりやすく説明しますが、その他に診療ノート(私のカルテ)を発行します。
- 急変時・救急受診が必要な際には当院に連絡下さい。搬送先への連絡・紹介状の用意を速やかに行います。24時間対応です。
- 他院受診が必要な場合は患者さんに最も適した病院を紹介します。紹介先確保のための情報収集はいつもしております。
かかりつけ患者になるには?
慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
- 現在他の内科診療所に定期受診されていないこと(病院の専門科・専門科の診療所受診は除く)
- 他院受診のデータを当院で管理させて下さること
- 既往歴、家族歴などあらゆる情報を当院に教えていただけること(他に 職業歴・予防接種歴・生活パターン・家族構成・趣味・嗜好・服用薬・服用健康食品・受診病院・整骨院などの施設受診など)
- 主治医意見書を当院で作成すること
- 他の病院、診療所を受診される場合、当院の紹介状を持参してくださること
- 身体で何か異常が起こればまず当院に相談してくださること。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録の上、診療予約カードを兼ねた
「ホームドクターカード」を発行させていただきます(診察券とは別)。
現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。
かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。
◆昨年7月にISO9001を取得しました
ISOって?
馴染みは薄いことと思いますが、ISO9001は品質管理及び品質保証のための品質マネジメントシステムで、ISO(国際標準化機構:本部ジュネーブ)によって制定された国際標準規格です。製品やサービスをお客様に提供している組織に用いることができる「仕事の進め方」に関する規格で世界共通ルールです。ISO9001が品質マネジメントシステム、ISO14001が環境マネジメントシステムです。医療機関でもISO9001の認証を受けるところが増えてきましたが、診療所では歯科・健診センターを除くと全国でまだ20施設くらいだそうです。
当院が提供する医療サービスについての品質を高め、顧客(患者)満足につなげることを目標として、診療所業務のマニュアルを作成しようと思い立ちました。病院には病院機能評価というのがありますが、診療所の機能評価はありません。ISOは診療所にとっては機能評価と同等の位置をしめるものと考え、ISO9001を取得することを決めました。一昨年の4月のことです。診療所の仕事を、ISO9001に決められた規格に基づいて文書化するところから始めました。ISO9001の要求事項がたくさんありますので、その要求事項を満たすように品質マニュアルという形式で文書化します。品質マニュアルの中の当院の品質方針(診療所の理念)は抜粋して貼り出しています。この方針は、自慢になりますが、ISOの審査員から高い評価をいただきました。
診療所スタッフ全員でマニュアルに準じて仕事をして記録を残し、悪いところは改善していくことになります。記録ですが、出入り業者の評価、ヒヤリハットの作成、患者さんにアンケートをお願いして集計、クレームを聞く、医療器械の保守点検、職員の評価・教育など多岐にわたります。記録は書式に準じて保存し、予防処置、是正処置が必要なものについてはその都度作成しスタッフに伝え、手順が変わるのなら改訂をかけます。スタッフ同士でおたがいを評価する内部監査を経て、昨年の7月3・4日に審査を受け、7月末に認証を受けました。
ISO取得のメリット
- 「お客様の期待やニーズに応えてくれる安心できる診療所である」 と宣言できる。
認定を受けるのですから、申請があったら誰にでもこの認証を与えられるのではありません。所定の手続きに従って審査を受けて合格する必要があります。だから、ISO9001認証取得診療所とは、「顧客の期待やニーズに応えてくれる安心できる診療所である」 ことを自分で宣言して、手順を作って文書化して、それを実践していることを審査を受けて合格した優良企業と言うことが出来ると考えています。
- 院長の考えがスタッフに伝えやすくなった。
月に一度の業務改善に関するミーティングをもち、年2回の内部監査、年一回のシステムレビュー、サーベイランスなどを乗り越えていくので、スタッフとのコミュニケーションがとりやすくなります。
- 日常業務をマニュアルを作ることで標準化ができる。
スタッフの誰がしても同じように仕事ができます。
- 業務の継続的な改善ができる。
アンケート、ヒヤリハットなどで、業務の見直しができるようになりました。
折角取得したのですから、当院においてはなんとかこのシステムに乗って、診療所の業務改善を継続していき、ISO9001の認証を維持して行きたいと考えています。
◆編集後記
本号が創刊準備号ということで、何から始めてよいのかわからず、院内報とよぶにはまだまだ内容がおいついていないものになってしまいました。ご意見、ご要望などがありましたら、スタッフまでお願いします。